男性は30歳、女性は40歳をめどに自律神経が乱れる

わたしたちの心身を健康な状態に保つためには、交感神経と副交感神経のバランスがとれていなければなりません。

しかし、仕事や日常生活での忙しさや、情報過多をはじめとする現代社会特有のストレスにより、現代日本人の多くは「交感神経が優位」になっています。

また、それらの影響からストレスを感じることが増え、副交感神経の働きを下げていきます。

その結果、ますます自律神経のバランスが乱れ、内臓器官の働きの低下をはじめとする不調が次々と現れるわけです。

さらに、個人差はありますが、男性は30歳、女性は40歳をめどに副交感神経の働きが下がっていきます。

かくいうわたしも、30歳を超えたときに急に体力の衰えを感じました。大学でラグビーをしていたこともあり、それまでは体育会系の勢いそのままに仕事で徹夜をしてもまったく平気だったのですが、それが極端につらくなりはじめたのです。

「これが年齢というものか......」

そう感じて寂しくなったものですが、いま思えば副交感神経の働きが下がっていたことが原因でした。

逆にいえば、自律神経のバランスをきちんと整えれば、その低下の進行を緩やかにしていくことができるのです。

【図表】自律神経のバランスマトリクス
出典=『自律神経が10割』(プレジデント社)
心身の健康にとって理想的な状態は、交感神経と副交感神経がともに高いレベルで活動しながら、かつバランスがとれている状態(右上)。このバランスが乱れると、心身に様々な不調を引き起こす。ちなみに、現代日本人に多いのは、交感神経が優位になりすぎている状態(左上)。

ここで、自律神経のバランスを乱すNG行動をいくつかご紹介したいと思います。

NG行動①朝食を食べない

自律神経のバランスにとって、朝はとても重要な時間帯。朝の過ごし方によってつくられた自律神経の状態は長く持続する傾向があり、その日1日のパフォーマンスを左右するからです。

たとえば、朝に余裕を持って起床し、歯磨きや朝食、ネクタイを締めたり、忘れ物がないか確認したりするすべての行動を「ゆっくり」行えば、あなたの自律神経は最高の状態で1日をはじめることができます。

逆に、ベッドから飛び起きて、朝食もろくに食べないまま満員電車に飛び乗ればどうなるでしょう? 交感神経が極端に優位になり、一度乱れた自律神経のバランスは、相当意識した方法を駆使しない限りそのまま戻らず1日中引きずってしまいます。

そもそも、意識で制御できないのが自律神経なのですから。

そこで、ぜひいつもより1時間早く起きることを習慣にしてみてください。これだけでゆっくりと行動する余裕ができ、あなたのパフォーマンスは劇的に向上します。もちろん、自律神経が整うと血液がサラサラと全身に流れていき、頭も冴えわたるでしょう。

1時間早く起きることは、これまでの生活で乱れた自律神経のバランスを整えていくための大いなる一歩です。2週間も続ければ心身がみるみるうちに変化していきます。

時間は誰にでも平等に与えられていますが、1時間早く起きるだけで午前が長くなり、1日が25時間もあるように感じられるはず。時間は、使い方によって長くも短くもなり得るのです。