モチベーションを上げる褒め方

では、どうやって褒めるといいのでしょうか。ポイントは3つあります。

具体的に褒める

どんな行動が、なぜ良かったのか、できるだけ具体的に伝えます。たとえば「新しいクライアントを獲得するための提案をしてくれてありがとう。普段から『もっといいやり方はないだろうか』と考えながら営業活動をしていないと、あんなに具体的で効果がありそうな提案はできないと思うよ。ほかのチームメンバーにも『こんなふうに考えて提案すればいいのか』と参考になったと思うし、チームの士気も上がって、いい影響があったよ」という感じです。

具体的に褒められると「そこまで自分のことを見てくれているのか」「こんなふうに人のためになっているのか」とうれしい気持ちになり、自分の行動に自信が持てますし、上司への信頼が高まります。また、「こういった行動がいいのか」とわかるので、「またやってみよう」と、褒められた行動を再現しようという気持ちが生まれ、成長につながります。「褒め」の効果が一時的でなく、長期的なものにつながるのです。

プロセスに着目する

「今月の営業目標をもう達成できたなんてすごいね」など、営業成績や資料の完成、タスクの完了といった目に見える結果の方がわかりやすいので、褒めやすいですが、できるだけプロセスにも着目して褒めるようにしましょう。

もちろん、結果を認めて評価することも大切ですが、それだけに目を向けていると、目に見える結果がまだ出せていない部下に対しては「何を言えばいいかわからない」「どこを褒めよう」と、“褒めポイント”がなくなってしまいます。

成果を出そうと頑張っている途中の本人の苦悩に共感し、その頑張りによってどのように成長できているかを評価してあげるのです。自分がどのように成長しているかは、本人にはなかなかわからないものです。そこで上司が成長を伝えることで、「目に見える結果はまだ出ていないけれど、ちゃんと見てくれている人がいるんだ。このまま頑張ればいいんだ」という安心感を持つようになるはずです。

たとえば「前回よりも効率よくデータ分析ができているし、間違いが随分減ってきているね。わからないことがあったときも、抱え込まないですぐに相談してくれるから、進捗しんちょく状況がよくわかって助かるよ」などです。

以前、東大に合格した人たちが「合格したことを褒められるのもうれしいけれど『合格するまでにすごく頑張ったんでしょう』『やりたいことを我慢して勉強していたんでしょう』と、プロセスの大変さを共感してもらえるほうがうれしい」と言っていたのを聞いて、なるほどと思いました。

並んだデスクで談笑中
写真=iStock.com/maroke
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