※本稿は、川島隆太『子どもの脳によいこと大全』(プレジデント社)の一部を再編集したものです。
スマホの長時間使用で成績は下がる
「子どもがスマホを使い過ぎているのではないか」「インターネットで動画ばかり見ているけど大丈夫なのか」そんな不安を持つ親御さんは多いことでしょう。
その懸念は、当たっています。インターネット機器、特にスマホを長時間使っている子どもは、認知機能が低下して学力も下がることがわかっています。
私は長期間にわたり、仙台市の小学生から高校生の脳の発達について、幅広く調査、研究を行ってきました。その過程で、インターネット機器が子どもたちの脳にいかに深刻な影響を及ぼしているかを知りました。
中でも特に恐ろしいのが、「スマホを長時間使うと、学校で勉強したことが頭の中から消えてしまう」という事実でした。
スマホの利用時間で中学生の成績に「15点の差」が
私たちがスマホに関する本格的な調査をはじめたのは、2013年(平成25年)のことでした。
仙台市の中学生を対象に、平均的な家庭での勉強時間とスマホの使用時間、国語と数学のテストの正答率を調査、分析したところ、やはりスマホを長時間利用している子どもほど、正答率が低いことがわかったのです。
勉強時間が30分未満、つまり、自宅学習をほぼしていない子どもの数学の正答率の違いは、次の通りでした。
・スマホを4時間以上使っている子どもの正答率=47%
100点満点のテストでいえば、スマホを使っている子どもは、使っていない子どもより平均点が15点も低かったのです。