勉強中に使用するアプリ数が多いほど成績が下がる

脳はひとつの作業に集中したときに、そのパフォーマンスを最大限に発揮するようにできています。

川島隆太『子どもの脳によいこと大全』(プレジデント社)
川島隆太『子どもの脳によいこと大全』(プレジデント社)

ところが、私たちがスマホを勉強中に使っている子どもに対してアンケート調査をしたところ、次のような恐るべき結果が出てきました。

前述の仙台市の中学生を対象の調査から、約8割の生徒が「ながら勉強」をしていることがわかったのですが、中には勉強中に4つのアプリを使っている猛者もいました。

勉強中に音楽アプリを使っている生徒は65%、メッセージアプリや動画がそれぞれ約40%、ゲームが40%弱という内訳でした。

私たちは成績も含めて調査を行いましたが、結果はやはり、勉強中に使用するアプリの数が多いほど成績は低下していました。

2時間の「ながら勉強」より1時間の「スマホなし勉強」を

そして、驚くべきことに、彼らの成績は勉強時間とは関係がありませんでした。つまり、短時間勉強しようが、長時間勉強しようが、どちらにしても勉強中にアプリを使っていれば成績は下がっていたのです。

どんなに勉強に時間を費やしても、勉強中にスマホを一度でも使ったら水の泡……。ですからスマホは、勉強中は物理的に遠ざけることが必須です。2時間、スマホに触りながら「ながら勉強」をするより、1時間スマホなしで勉強に集中したほうが、はるかに学習効果は高くなります

勉強する部屋にはスマホやタブレットは持ち込み禁止にして、集中しやすい環境づくりを心がけるようにしてください。