午前11時直前の相手の予定を確認しておく

さらに条件を絞り込んでいくと、「雨が降っているよりも、晴天の方が気分がいいな」とか、「寒い日よりも、暖かい方が気持ちがいいな」と考えるようになり、「天気のいい金曜日の午前11時」が最有力候補になりました。

現在でも、何か新しい企画を提案する際には、できる限り「晴れた金曜日の午前11時」を希望して、面談のスケジュールを決めています。

それと同時に、金曜日の午前11時直前の相手の予定も、できる限り事前に確認するようにしています。

こちらの面談の前に難しい案件の会議や商談が入っていなければ、相手はリラックスした状態で向き合ってくれますから、それだけ成功の確率が高まるのです。

人間の感情というのは意外に非合理的ですから、相手に気持ちよく仕事をしてもらうためには、自分の感情と照らし合わせて考えてみて、「こんな状態のときは嫌だろうな」と思えることの「裏返し」を検討してみることが大事なポイントです。

短くやるコツ
上司に悩みを相談したり、悪い報告をする場合も、金曜日の午前11時がおすすめ!

上司の承認を素早く得るための「声かけ術」

私がトヨタで働いていた頃は、どんな小さな設計変更や図面変更でも、必ず上司の承認を得ることが社内ルールになっていました。

些細な変更は頻繁にありますから、その度に上司に承認をもらう必要がありますが、肝心の上司も忙しく仕事をしているため、部下に担当させている仕事の細々とした説明を聞いていたのでは、自分の仕事が進まなくなるような状況でした。

それでも、上司の承認を得られなければ、私の仕事がストップしてしまいます。

あなたが同じような状況にあったら、どのように動きますか?

私が最初にやったのは、自分の目の前の仕事を進めながら、その合間に上司の状況をそれとなく観察することでした。

どこかに、上司の仕事の流れを遮ることなく、私のための時間を作り出すスキマがあるのではないか……と考え、そのタイミングを見計らっていたのです。

上司がコーヒーを注ぎに行って、自席に戻る様子を眺めていたら、「ここしかないな」と思えるような絶好のチャンスを発見することができました。

コーヒーブレーク中にコミュニケーション
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