売上の78%が広告事業で成り立っている

検索サービスから電子メール、あるいはスマホのOSやスマホそのもの、ユーチューブ、オンラインストレージ、さらに電子書籍やビデオなどのコンテンツ販売など、グーグルが運営している業務や提供しているサービスは、実に多岐にわたっています。しかし、グーグルの屋台骨、つまりメインとなる売上は広告事業です。このことは、毎年発表される同社のポートフォリオからも確認できます。

図表2を見るとわかるように、グーグルの売上で最も大きな割合を占めているのは、検索サービスで表示される広告です。ユーチューブで表示される広告や他のネットワークサービスで表示される広告なども含めると、2022年10~12月期で見ると全体の78%が広告売上で占められています。

表では22年末の数値に加えて21年の数値も記載していますが、広告売上が全体の売上高に占める割合は、わずかに下降しています。これはコロナ禍による景気の減速で、企業のインターネット広告の予算が減ってきたためと考えられます。まったく同じように、検索だけでなくユーチューブの広告収入も、やはり減っています。

売上全体の中で、8割近くを広告収入に依存しているグーグルは、景気が減速すればその影響をもろに受けるリスクがあるのです。実際、2022年のアルファベットの売上高の前年比伸び率は、近年の高い伸びとは対照的に9.8%にとどまっています。

検索結果とともに表示される“広告”こそが収入源

グーグルといえば検索サービスを提供している企業のことだと思っているユーザーも少なくありません。

実際、インターネットで何かを検索することを「ググる」と表現することもあります。最新版の英語辞典『ウェブスター辞典』にも、「Google」という見出しがあり、「グーグルの検索エンジンを使って、インターネットから情報を入手することを意味する他動詞」と定義されているほどです。

この検索エンジンで検索を行うと、検索結果とともに広告が表示されます。この広告こそが、グーグルの大きな収入源のひとつなのです。

インターネット内の検索には、グーグルの他に、マイクロソフトのビング、ダックダックゴー(DuckDuckGo)、最近ではツイッター(Twitter)やインスタグラム(Instagram)、ティックトック(TikTok)などのSNSをグーグルの代わりに検索で利用するユーザーも増えています。