相対的に日本の魅力が高まっている
いま世界的に見て日本株の魅力が高まっています。日経平均はバブル後初めて3万円の大台を突破し、突出して良い動きを見せています。
一方でアメリカ株の見通しは不透明感を増しています。
株価や個々のアメリカ企業の業績だけでなく、アメリカ社会全体がいま深刻な課題に直面し、難しい対応を迫られています。
アメリカは貧富の格差が大きい国です。しかも、コロナ禍で格差はさらに拡大しています。
AIの登場で無人化が進むと、低所得層の仕事が奪われ、失業率が上昇することになります。構造的に無人化のデメリットが現れやすいのです。
こうした中、フロリダ州知事のデサンティス氏が、不法移民に厳しい姿勢を見せています。
ただ、いまアメリカのサービス産業を支えているのは、低賃金で働くヒスパニック系などの移民たちです。彼らを追放すればアメリカは立ち行かなくなるでしょう。
本当に重要な仕事をしている人ほど、低賃金で働いている。アメリカはその矛盾と向き合う必要に迫られています。
さらにアメリカは高いインフレに苦しんでいます。富裕層にとって大した問題ではありませんが、低所得層にとってインフレは死活問題です。
格差の問題をどうにかしなければ、アメリカという国は立ち行かなくなると思います。
少子高齢化の日本は「無人化」で恩恵を受けやすい
一方、日本は少子高齢化で人口が減少していますから、AIやロボットの普及で無人化が進んでも、社会が効率化するメリットのほうが大きくなります。
そもそも日本はアメリカに比べて貧富の格差が小さい国です。また企業が雇用を守り、少々コストが上がっても積極的に価格転嫁しないなど、ステークホルダー重視の姿勢が強い風土があります。それも「世界インフレ時代」にはプラスに働くでしょう。
そうしたことを考えると、日本株の見通しは明るく、世界の投資マネーはもっと日本に集中すると思います。
そもそも、バフェット氏が日本株を買ったこと自体が、世界中の投資家に多大な影響を及ぼしています。日本株にとってはかりしれない大きな後押しとなるでしょう。
私は数年前からずっと「いずれ日本株が復活する」と言い続けてきました。それがいよいよ現実になってきたように思っています。