日本政府はインフレ大歓迎
今後円高になりうる要因がもう一つあります。日銀の政策変更です。
円安は日本企業の業績を押し上げています。実際、自動車など輸出企業の決算はおおむね好調でした。脱コロナでインバウンド消費も戻ってきています。
しかし、円安になると輸入物価が上がりますので、国民の暮らしにはマイナスです。
ただ今のところ、日本の物価高は一時的なもので、持続的な物価上昇ではないと政府・日銀は考えています。植田総裁も、国内の物価は今年半ば以降に縮小する見込みだと発言しています。
政府から見ればインフレ傾向は大歓迎です。なぜなら政府の借金が目減りするからです。
消費税をあと5%上げるとなると、国民の大反発は避けられません。しかし、インフレ率5%なら、国民の大反発は回避できますし、国の借金を減らす効果もより高いのです。
国民の不満が高まれば日銀は政策変更する
ただ、もし物価高が一時的でなく、今後ずっと上昇し続けると分かった場合、日銀が政策修正に動く可能性が出てきます。
「物価が3%後半から4%くらい上昇」とは、中には毎年10%程度値上がりする商品もある、という状況です。
これくらい物価が上昇すると生活はけっこうきついと思います。物価高に対する国民の不満がもっと高くなれば、政府は無視できず、日銀に物価対策を要求するでしょう。
「バフェット氏が日本買い」の理由
先日、「投資の神様」とも称されるウォーレン・バフェット氏が来日し、日本株の追加購入に積極的な姿勢を見せたことが話題になりました。
なぜバフェット氏は日本株を買ったのか。その理由は、やはり世界の中で相対的に日本株に上昇余地があり、逆にアメリカ株には下落余地があるからだと私は思います。