「最大の誤りは、要求をただ突きつけることだ」と、ケイは言う。「そのようにではなく、『私の問題はこれです。それを解決するために私が考えている案はこの3つです』といったアプローチをとるべきだ。そうすれば、上司に選択の余地を与えることになる」。
「自分の側ではやるべきことはやりましたよとアピールし、同時に、それにお好きなように味付けしてくださいと、上司にボールを投げるわけだ。面接室に入っていって『私は昇進したい』と言うだけでは、上司を身動きできないところに追い込んでしまう」
1つの要求に対応するのは、十分に練り上げられたいくつかの選択肢に対応するよりはるかに難しいのである。
社員が自分の要望を述べる際の最も単純な要素の一つは、それは会社に何をもたらすかを上司に示すことだ、とケイは言う。
他の部署で訓練を受けたり、研修プログラムを受講したりすることは、上司やチームの成果を高めるのにどのように役立つかを説明しよう。会社全体にとってのメリットをアピールすることも大切だ。現状をこのように変えれば、現在のどのようなビジネス・ニーズに応えることになるか。その変更は組織にとっての価値をどのように高め、会社の使命にどのように貢献するか、といった点を説明するのである。
自分から解決方法を提案する
あなたの要望を満たすうえで障害になる要因は何かを、上司に説明できるようにしておこう。そして、解決策を提案する用意をしておこう。
「あなたにはおそらく、何が障害になるかよくわかっているはずだ。そのために、これまでその要望を持ち出さなかったのだから」と、ケイは言う。「しかし、あなたがその問題についてそれほど長く考えてきたのであれば、それを解決するための別の方法をもおそらく考え出せるはずだ」。
(翻訳=ディプロマット)