イノベーションのアイデアを社外に求める企業がある一方で、社内で継続的に新しいアイデアが生まれ、新製品開発に結びついている企業もある。企業を「イノベーション体質」にするためには何が必要なのか。

ミシシッピ州オックスフォードのワールプール社の製造工場で、ライン労働者とエンジニアを含む社員グループが、テイルゲート・パーティ(車のテイルゲートを開け、そこに食べ物を並べて行う戸外パーティ)について語り合っていた。車の後部から飲み物を注ぐことができ、そこで食べ物を冷やしたり調理したりすることもできたら──しかも、その間ずっと好きな音楽を聴いていられたら──すばらしいだろうな、と彼らは空想した。

この空想話から生まれたのが、ワールプールが現在、開発中のゲイター・パクだ。この製品が完成したら、消費者はいくつかのオプション(グリル、冷却・加温器、飲料サーバー、電子レンジ、音響システム)から好みのものを選んで、テイルゲート機器をカスタマイズすることができる。ゲイター・パクは、このところ続々と生まれているワールプールの社内イノベーションの一つである。これらの製品のアイデアはすべて同じ源から発している。それは、イノベーションへのコミットメントを会社全体に浸透させ、それを組織のコンピタンシーにすることに成功した大規模な変革プログラムである。