あなたが本当に求めているものは?

自分の望むものを得たいと思うなら、社員はマネジャーのほうから第一歩を踏み出してくれるのを期待してはいけないし、自分が何を望んでいるのかをはっきり言わず、マネジャーの推測に任せていてもいけない、とケイは言う。部下のためを思っての推測であっても、マネジャーの推測は往々にして間違っているからだ。

社員は、自分は何を望んでおり、それをどのように要求すればよいか──それが配置転換であれ、研修プログラムであれ、休暇であれ、上司の行動の変化であれ──について、明確な考えを持って評価面接に臨む必要がある、とケイは言う。

「最大の誤りは計画を練る時間をとらないことだ。自分で自分を面接しているつもりになってよく考えてみよう。『何を達成したいのか。課題は何か。何を要求するつもりで、誰を説得する必要があるか』といったことをね」

「不満を感じている」と宣言するだけではあまり反応は返ってこないが、問題の解決法を提案したら、ただちに反応が返ってくるということを、マネジャーは社員に理解させる必要がある、とケイは言う。「忘れてはならないのは、マネジャーは『これを解決してほしい、あれを解決してほしい』という訴えを四六時中、聞かされているということだ。社員であるあなたは、問題とそれを解決するための複数の案を持って評価面接に臨む必要がある」。

マネジャーにありがちな思い違いは、社員が本当に求めているのは高い評価や敬意であるのに、社員が要求するのは金銭と昇進だけだろうと思ってしまうことだ、とケイは言う。一方社員も往々にして、要求すべきものは金銭だけだと考えてしまいがちだ。

社員ワークショップで参加者がよく言うのは、賞賛より金銭のほうが要求しやすいということだ、とケイは言う。しかし、賞賛や高い評価や敬意は、明確に数量化できる金銭に比べ、ひどくあいまいである。だから、賞賛は職場で具体的にはどのような形をとるかをよく考えてから面接に臨むことにしよう、と彼女は言う。