若者の半数が希望を失ったのはだれのせいか
今、若者には、未来に対する希望が失われています。
内閣府が全国の13歳~29歳までの男女を対象として実施した2018年「子供・若者の意識に関する調査」の中に「自分が40歳になったときどのようになっているか」という質問があります。その中で、「出世」と「お金」に関する結果に注目しました。
40歳になった時「出世しているだろう」と予測しているのはわずか38%。「お金持ちになっているだろう」と予測しているのは35%にすぎません。10代から20代というまだまだ可能性を秘めている若者自身が、もはや自分の将来に出世も経済的裕福さも望めないと6割以上が思わざるを得ない社会とは一体なんなのでしょう。
子ども家庭庁の理念には「常にこどもの最善の利益を第一に考え、こどもに関する取組・政策を我が国社会の真ん中に据えていく。結婚・妊娠・出産・子育てに夢や希望を感じられる社会を目指し……」などという言葉が並べ立てられてはいますが、そもそも子どもや若者自身が自分たちの未来に何の夢や希望も信じられない「今」を作ったのは誰なのか、大人たちは胸に手を当てて考えてみる必要があるのではないでしょうか。
米国大統領フランクリン・ルーズベルトは、「若者のために未来を創れるとは限らない。だが、未来のために若者を創ることはできる」という名言を遺しています。それをもじっていうのであれば、
「若者のために、大人はその未来を創れとまではいわない。が、せめて、大人たちよ。未来を作る若者たちの邪魔をしないでくれ」