早稲田・社会科学の小論文は、入りやすいテーマの良問

では、入試の内容はどうでしょうか。本田望結さんが合格した早稲田大学社会科学部から見ていきます。早稲田大学サイトによると、全国自己推薦入試の出願要件はこちら。

・評定平均4.0以上
・欠席日数が45日以内
・次のいずれかに該当
学芸系またはスポーツ系クラブなどに所属し、都道府県以上の大会・コンクール・展覧会などにおいて優秀な成績を収めた者/生徒会活動において、めざましい活躍をした者/資格(語学検定や財務・会計資格など)を有する者/その他、学校外での諸活動(クラブ活動、ボランティア活動など)において、めざましい活躍をした者

入試は一次試験が書類審査、二次試験が面接と小論文です。小論文の2022年試験はこちら。

SNSの発達に伴って、個人が自由に意見を発信できるようになりました。他方で、ヘイトスピーチをはじめインターネット上での人権侵害が問題視されています。SNSの発達が社会に与えた良い影響と悪い影響について、あなたの考えを800字以内で述べてください。

※90分

入りやすいテーマですが、良い影響とヘイトスピーチや人権侵害などの悪い影響、両方を押さえたうえで自身の意見を述べる、良問です。

慶応SFCは専願が条件で、「入学後の構想」が求められる

慶応義塾大学環境情報学部のAO入試は、評定平均は特に指定されていません。ただし、出願資格では次の2点が指定されています。

・総合政策学部・環境情報学部への志望理由や入学後の構想が明確であり、第1志望としていずれかの学部での勉学を希望する者
・総合政策学部・環境情報学部の学習・研究環境を積極的に活用し、入学後の目標や構想をより高いレベルで実現するに十分な意欲と能力を有する者

専願(第1志望)を条件とする大学は他にもありますが、「志望理由や入学後の構想が明確であり」と、わざわざ指定する大学はそうそうありません。しかも、「入学後の目標や構想をより高いレベルで実現」する学生が欲しい、とも明記しています。

1次試験は書類審査。ただし、この書類審査も提出書類が他大学以上に多くあります。

活動報告(200字)、志望理由・入学後の学習計画・自己アピール(2000字以内+自由記述2枚以内)、そして、任意提出書類として、「中学校卒業以降からAO入試出願に至る期間における、さまざまな分野での取り組みとその成果、および大学入学後の目標や構想実現に必要な意欲や能力等を示すものがあれば資料として10点まで」。

さらに、志望する受験生ではなく、その受験生を客観的に知る立場(大半は学校教員か)2人による志願者評価も必要です。