AO入試の難化傾向は、親世代の想定よりもさらに進んでる
ここまで書類を準備したうえで、2次試験は面接。こちらも簡単ではありません。このプレジデントオンラインの2019年6月19日記事「慶應SFCが30分間の面接で必ず聞く質問 知力も人間力もわかるガチンコ面接」には、環境情報学部の村井純教授が、面接では3人の教員が30分間、志望理由などを掘り下げるとして、次のように答えています。
「時には学問的な論争になる真剣勝負の場です。学力テストなどしなくても、30分間、第一線で活躍している学者が、3人がかりで1人の受験生を見るわけですから、ごまかしようがないんです。しかも、それを30年続けてきた経験の蓄積があります」
早慶ともこの入試を簡単、とする人もいるでしょう。私は大学取材21年の経験からも、簡単とは到底、思えません。総合型選抜・学校推薦型選抜の難化傾向は、ネット上、あるいは受験生の親世代が想定しているものよりもさらに進んでいます。しかも、本稿では早慶のみを取り上げましたが、この難化傾向は実は中堅ないし中堅以下の私大でも相当進んでいます。
大学受験は、過去の経験にとらわれる人が多くいます。その経験はかけがえのないものですが、その一方では、現状とは乖離したものも多くあります。AO入試(総合型選抜)も、過去の経験やイメージだけではなく、現状を把握したうえで対策を取ることが求められます。
※参考
大学入学者選抜実施要項における多面的・総合的評価、総合型選抜、学校推薦型選抜に係る記載の主な変遷について(文部科学省2021年資料)