昏睡状態では「意識で意識を整える」だけ
知人の方で、昏睡体験をされた方のお話です。
昏睡状態でその方が体験した世界は、本当に真っ暗だった。薄暗い闇ではなくて漆黒の闇。真っ暗な闇の中で、まったく身動きがとれない体験。ただただ真っ暗で、何の光もない。ただただ真っ暗な漆黒の闇の中で、手も足もない。身動きすることもできない。
叫んでも、叫んでも、声も出ない。「助けて~」「助けて~」と心の中では何度も叫んでいた。けれども、何度叫んでも、声も出ない。手も足もなくて、身動きひとつとれない。
想像してみてください。
手も足もなくて、身動きひとつとれない。叫んでも、叫んでも、声も出ない。ただただ漆黒の闇の中に放り出されている。
この方は、いろいろな信仰のマントラ(人に霊的な変容をもたらすとされる聖なる言葉)を唱えたそうです。けれどもマントラも通用しない。届かない。
意識も朦朧としてくる。意識もあるか、ないか定かでなくなってくる。
もうダメだ。
もう終わりだ。
結局、昏睡状態からこの方は生還して、今でも元気に活躍しておられるわけですが、真っ暗な闇の中に放り出されて手も足もない。まったく身動きができない。いくら叫んでも声が出ない。届かない。もうダメだ。まったく何もできない。そう思った時に唯一できたことは、「意識で意識を整える」。これだけだったと言います。
ただ意識だけがある。意識で意識を整える。これしかできなかったとおっしゃる。
意識で、意識を、意識する。
意識で、意識を、意識する。
できたのは、ただこれだけだと。
こうおっしゃるわけなんです。