腸内環境を整えるサツマイモ

茶碗1杯の玄米はおよそ150gですので、玄米への切り替えは効果が期待できます。ナッツ類は手のひら1杯で25g程度ですので、間食の際にアーモンド、栗、クルミ類を摂ることも良いでしょう。お肉は全く口にしないのは苦しいので、50g以下を目指しましょう。

(2)現在の食事に、小さめのサツマイモ1本ほど余分に摂ることで食物繊維を増やしましょう。動物性脂肪を減らし、ヨーグルト1カップを摂りましょう。

長寿者における腸内細菌の重要性を述べ、細菌叢の多様性を維持することの大切さについて解説しました。そのためには偏った食生活を避け、食物繊維(イモ類、豆類、海藻類)を理想値の24gに近づけるべく、あと6g程度多く摂ることが必要です。6gの食物繊維は200g程度のサツマイモから得ることができます。

焼き芋
写真=iStock.com/kuppa_rock
※写真はイメージです

また、母乳に含まれるオリゴ糖がビフィズス菌の生育を促すことが知られています。腸内環境を整え、腸内フローラを健康に保つためにも、腸内細菌を腸内で飼育しているという気持ちを持つことは大事でしょう。

高脂肪含有食を実験動物に投与すると悪玉菌が増え、老化を早めることが指摘されており、脂肪摂取量を控えめにすることには意味があります。乳酸菌、ビフィズス菌などのプロバイオティクスを含むヨーグルト製品などを100~200g積極的に摂ることも腸内環境を整え、免疫活性の維持に役立つことも示されています。

肉よりも大豆や魚を摂取したほうがいい

(3)筋量を維持するために、良質なタンパク質を含む、大豆製品、乳・卵製品、魚介類を積極的に摂りましょう。

大豆はタンパク質を豊富に含み、脂質代謝改善、抗肥満効果があります。加齢に伴い、骨格筋でのタンパク質合成能は低下して筋量低下を招きます。歳をとるにつれて食事量は減少しますが、必要とされるタンパク質量は成人のそれと同じレベルです。

食事由来のタンパク質の消化・吸収効率も加齢とともに低下しますので、良質のタンパク質を積極的に摂ることが必要となります。良質タンパク質を供給する食材として、大豆、大豆製品、卵、乳製品、魚介類が考えられます。畜肉も良質タンパク質を含みますが、50g以下と前述しているのでここでは割愛します。

分岐鎖アミノ酸が骨格筋におけるタンパク質合成を促す作用を持つことからも、後期高齢者の方はサプリメントなどで補給することも有効でしょう。大豆製品は和食に欠かせない主要な食材でもあります。伝統的な日本型食生活を継承するという意味でも摂取を心がけましょう。