いざというときふんばりがきかない子の共通点
この自信、「自分はがんばれば何とかできる人間だ」という自己肯定感こそ、男の子の一生を決める心の基盤となっていきます。
少々大変なことがあってもがんばれる、ふんばりがきくようになるのです。
恐ろしいことに、この“心の土台”が6歳までに育っていないと、その悪影響は、20歳すぎになってじわじわと姿を現してくることが少なくありません。お子さんが20代、30代になってはじめて、6歳までの子育ての問題が噴出し、わかったときには手遅れになってしまうことがあるのです。
具体的に言うと、せっかく大学で毎回授業に出ていても、肝心のテストの時だけ欠席してしまい何年も留年してしまったり、せっかく熱心に就職活動をしていても、面接の日だけ休んでしまう、といったように、「ここ一番」という「大切な時」に、「ふんばり」がきかない子に育ってしまいやすいのです。
そのような、「いざというときふんばりがきかない男性」と話していると、ある共通点があることに私は気づきました。それは、「幼い時、お母さんと楽しく遊んだ思い出が思い出せない」ということです。
「いくら思い出そうとしても、小さいころ、お母さんと楽しく遊んだ記憶がないんです。いつもガミガミ叱られてばかりで……」
「いつも勉強しなさい、勉強しなさい、とばかり言われ続けて……。母にやさしくされたことが思い出せません」
彼らのお母さんに、お子さんに対する愛情がなかったわけではありません。お母さんとしては、お子さんに「ちゃんと育ってほしい」と思うからこそ、厳しく叱りつけ、勉強の習慣をつけさせようとしていたのでしょう。
ただ、その結果、多くのお子さんは人生で一番大切な「いざという時、ふんばる力」を身につけそこなってしまうのです。
「うちの子はもう小学生。遅かった……」というお母さんも、まだまだ間に合います! 気づいたときがスタートです。さっそく今日から、お子さんが「ボクは愛されてるんだ!」と思えるよう、思いっきり愛してあげましょう。
それがお子さんの「いざという時、ふんばる力」となって、一生の財産となるのです。
愛を言葉にして、タッチングを惜しまない
●愛していると言葉をかける
「マサオくんのこと、大好きよ」
「ケンちゃんは、ママの宝物」
「カズくんのこと、大切」
親子だから、“言わなくても通じ合える”というのが間違いのもと。親子でも、夫婦でも、愛は言葉にして伝えないと伝わりません。ちょっと恥ずかしいかな? と思えるくらいの言葉でも、どんどん口に出していきましょう。
●抱っこやタッチングを惜しまない
愛を伝える手段は、言葉だけではありません。折にふれ、抱っこやタッチングをしてあげましょう。
・心を込めてゆっくり抱っこする
・ペタペタ触る
・ギュッと抱きしめる
・ほっぺにキスする
日本人の親子は、こうしたタッチングが、他の国の親子と比べてかなり少ないのです。それが親子の愛着関係の形成に悪影響を与えてしまっています。
こんなことばかりしていたら、もっと甘えん坊になってしまうのでは? 男の子なのにいいの? と心配する方がおられるかもしれません。でも、その心配はありません。
子どもは、気持ちのいい抱っこやタッチングが大好き。「自分は大切にされている」と実感でき、自己肯定感が養われます。