中学受験には従来の4科目のほかに2科目受験などさまざまな方式が登場している。教育ジャーナリストの中曽根陽子さんは「以前は、偏差値や大学合格実績などで4科目の中高一貫校を選ぶ家庭が多く、その結果全落ちしてしまうケースもありましたが、最近は親が子供の個性ややりたいことに合った校風の学校と受験方式を選ぶケースが増えている」という――。
開成学園
撮影=プレジデントオンライン編集部

「中学受験2023」史上初めて5万2000人以上の受験者

1月から2月にかけて首都圏で実施された2023年度入学の中学受験の受験者数は、過去最多を更新しました。前年比1500人増の推定5万2600人(首都圏模試調べ)で、受験者総数は2015年から9年連続の増加。5万2000人超は中学受験史上初めてのことです。

女子校からリニューアルした芝国際中学校や、明治大学との連携を発表した日本学園などが台風の目となり話題となったほかに、従来の4科目以外の受験方式も多様化し、受験生の動向にも新しい動きがありました。

そこで、塾目線ではなく親目線に立って独自に取材したものを基に、来年度以降の中学受験にどう向き合うべきかを考えてみました。

まず、首都圏の中学受験者数が増加した理由や、受験生の動向について首都圏模試センター 教育研究所長の北一成さんに聞きました。

「今年度の首都圏の中学入試は史上最高の受験者数を叩き出し、東京・神奈川・千葉・埼玉・茨城いずれも受験者数は増加しました。その結果、合格率も91.8%、特に男子は82.9%とかなり厳しい受験になりました。ただ、この中には公立中高一貫校との併願者も6500人くらい含まれていることを考えると、受験者がすごく増えているわけではありませんが、難関校や新設校を狙い撃ちした結果、全落ちという相当厳しい結果になってしまった受験生もいたということです」

一方、北さんは「受験校選びが多様化すると共に、受験準備のスタイルも多様化して3極化している」と語ります。それは以下のようなタイプです。