※本稿は、『小学生知育大百科 2023完全保存版』(プレジデントムック)の一部を再編集したものです。数字はいずれも2022年11月30日、雑誌発行時点のもの。
大学付属の中学・高校の人気が近年高まっている。大学通信の情報調査・編集部の大野香代子編集長は言う。
「背景にあるのは2016年度から始まった私大の定員厳格化と21年から始まった大学入学共通テストをはじめとする大学入試改革で、大学受験の難化や混乱が予想されたこと。難関大学へエスカレーター式に進学できる大学付属中高への入学を希望する受験生が増え、多くの大学付属校で倍率と偏差値が上がっていきました。ここ数年は、高止まりしている状況です」
中学・高校の6年間を大学受験のためにきゅうきゅうとするのではなく、のびのびと部活や趣味に打ち込んでほしい、という親心もあり、付属校への進学を希望する受験生の数はしばらく減ることはないとみられている。
そこで、首都圏と関西の大学付属校についてリポートしよう。本稿では、第1回の早慶編に続き、第2回のMARCH編をお届けする。
人気沸騰 MARCH付属校の内部進学率一気見せ
MARCHの付属校も共学校中心に人気が高い。
立教大は8割以上が進学する二つの一貫校がある。立教池袋、立教新座(どちらも男子校)だ。さらにここ数年で立大への内部進学率が上がったのが系属校の立教女学院。以前は6割程度だったが、7割以上に。24年度卒業生からは成績などの基準を満たせばほぼ全員が進学できる。
「同校からは国立大や早慶、他のMARCH、東京理科大などへ進学する層もいます。立大は工学部系がないという影響もあるでしょう」(同)
系属校の香蘭女学校中等科・高等科はもともと「立教枠」は約半数だったが、直近では一学年168人中97人が立大へ進むなど内部進学枠が拡大。
「立教大への入りやすさや、中学入試で午後入試に参入したことで人気となり、偏差値が上がっています」(同)
※マークの見方 卒:卒業生数 内:内部進学者数 偏:偏差値(男/女) ¥:初年度納入金 倍:倍率 所:所在地 駅:最寄り駅 募:募集人数(男/女) 数値は2022年のもの。募集人数は23年度のもの。
※卒業生数、内部進学者数、他大学進学実績のデータは大学通信提供。
※学費は副教材代や制服代を含む標準コース(金額が明示されていない制服、スクールバス、給食、寮や教材の費用は含まず)。
※募集人数には推薦や帰国生を含む。
※首都圏編の中学偏差値は日能研提供。高校偏差値は進学 研究会提供、協力は早稲田アカデミー。関西編の中学偏差値は日能研関西提供。高校偏差値は大阪進研提供(専願の偏差値)。コースが複数ある場合は、最も募集人数が多いコース。