塾に通いつつ偏差値重視ではない中学受験が主流に

① 従来通り小4(小3の2月頃)からしっかり進学塾に通って難関校を目指す層。
② 塾には通っているが偏差値重視ではなくわが子にあった学校を選びたいという層。
③ 公立中高一貫校との併願や新タイプ入試を活用して、習い事などと並行しながら中学受験をする。志望校に行けなかったら公立でいいと割り切っているライトな受験をする層。

最近の特徴は、②がボリュームゾーンで、③も増えているといいます。つまり、4科目入試がほとんどだった15年前のピーク時と違い、入試自体が多様化し、受験生の思考も着実に変わってきているのです。

実際、私のまわりでも、大手塾での競争に疲れて途中で小規模塾や個別指導の塾に移り、できるだけわが子にあった受験をしたいと学校研究をして志望校を変えて合格したという家庭や、習い事や自分のやりたいことをしていくために中高一貫校を選びたいと新タイプ入試を活用して合格したケース、子供が小6年の途中から急に受験をしたいと言い出して、急遽2科目で駆け込み受験をしたといったケースを見聞きすることが増えていましたので、その分析には同感しました。

こう書くと、「中学受験はそんな甘いものではない」「4科目受験こそ王道」といった声も聞こえてきそうです。

確かに中学受験で、御三家や大学付属校など偏差値60以上の難関校突破のために求められる学力レベルは相当高く、その場合、進学塾がもつノウハウに沿って準備をする必要があります。こうした学校は人気を集めるにふさわしい教育をしており、大学進学実績も素晴らしい。よって偏差値も高くなるため、本気で目指すためには“強い塾”に行かなければ……という流れになりがちです。

合格祈願
写真=iStock.com/Kavuto
※写真はイメージです