ですから、自分に関係がある現状にのみひたすら注意を向けるべきです。そして、どんな選択が可能かを見極めて、一番効果的な戦略を選ぶのです。おわかりいただけたでしょうか? あなたの人生に降って湧いてきたその出来事は、今、あなたに対応を迫っています。

確かに、あなたの人としてのあり方に関わる大きな課題が、そんなふうに気取ったバカ女やバカ野郎の姿と声をまとって現れるなんて、控えめに言ってもびっくりですよね(それに残念だし笑えます)。頭の中がバカへの軽蔑心でいっぱいだとしても、理解できます。

でも、ご存じないでしょうか? ヒーローはどんなときでも悪臭を放つ怪物を倒さなければなりません。「こんなのおかしい!」と叫んで、何かの間違いだと思いこもうとするのはやめましょう。自分の人生にこのバカの入る余地はないという考えは捨てましょう。

なぜなら、実際はその正反対だからです。バカはあなたに話しかけています。完全にあなたに話しかけています。そして今、能力を発揮すべき人はあなたです。

目的はバカが害を及ぼすのを阻止すること

これであなたの立ち位置は変わりました。今度は、どんな選択が可能か、あらためて考えてみましょう。なぜなら、あなたにとって、バカを滅ぼすことはもはや重要ではないからです。

そのバカは、あなたと出会う前から存在していて、この先も、おそらくどこか別の場所で人生を続けていくことでしょう。それならば、あなたの目的は、バカが害を及ぼすのを阻止することに絞られます。

それがすなわち、その人をあなたの人生から物理的に排除することを意味する場合もありますが、必ずしもそれができるとは限りません。時には、害を及ぼすのを完全には防ぎきれないことさえあります。

でも、これからはあなたが、いわばゲーム盤のサイズをきっちりと決めるのだということはおわかりいただけるでしょう。ゲームの駒は、あなたが好きなように置きなおしていいのです。誰を巻きこみ、誰を味方につけるか、自分で決めていいのです。

たとえば、相手が上司だとか目上の人だとか、ヒエラルキー上の理由で直接批判できない場合も、同様です。うまく周りに味方を置きましょう。