お金の価値は信用がベースになっている

買い手は、商品である缶コーヒーに1本あたり百数十円の価値がある、と信じるからお金を支払います。そして売り手も、相手が出したお金の価値を信じるから受け取ります。「缶の中身は水かもしれない」「このお金はニセ札かもしれない」なんて疑いがあったら、売り買いは成立しませんよね。

こうして考えてみると、お金は「信用」を形にしたもの、といえるかもしれません。日頃から心を育てることを心がけている人は、周りからの信用も厚い。そして信用を積み重ねていくことで、自然に収入も増えていく……。「心」と「財産」の両方を育てるこういった循環が、豊かさをつくる理想なのです。

自分が豊かではないと感じるのなら、今日から生き方を少しかえてみてはどうでしょうか。心を育てるのに、遅すぎるということはありません。現時点で未熟な人は、今から育てていけばいいんです。

日頃から意識したいのが、「今だけ、お金だけ、自分だけ」の生き方をしないことです。まず、今だけでなく将来のことを考えると、むだなお金の使い方をしにくくなります。5年先、10年先を見据えてお金をためる習慣も身につくでしょう。

お金の心配をしても増えるのはストレスだけ

次に、お金のことばかり心配するのはやめましょう。「お金が足りない」「どうすればお金が手に入るだろう」などと考えても、増えるのはお金ではなくストレスですよね。ヤキモキする時間を、やるべき仕事や勉強に使ってみてください。

そして、自分のことだけを考える生き方は人を貧しくします。毎日の生活や仕事の中で、「人のために何かをする」ことを心がけましょう。同僚にひと声かけたり、ちょっと気をきかせたりするだけで、相手との関係がかわることもあります。

「今だけ、お金だけ、自分だけ」の生き方を見直すことは、心と財産を育てることにつながります。お金の本質は、信用です。まずは心を育てること。心が育つと信用が育ち、豊かな人間関係も財産も育つよい循環が生まれるのではないでしょうか。

お金の心配より、未熟な心を育てることにエネルギーを注ぐ。