「老後は年金でのんびり…」なんて人は時代遅れ

私は契約社員で、夫はフリーランス。
年金が少なく、老後の生活が不安です。

60代で仕事は引退し、あとは年金でのんびり……なんて将来設計をしている人は、今すぐ自分の中の「働き方改革」が必要です。確かに、日本には老後を支える年金制度があります。でも、それだけを頼りに生きていける時代ではなくなってきていることも事実です。

仏教に「自灯明じとうみょう」という言葉があります。他人ではなく、自分をよりどころにして生きなさい、という教えです。老後の暮らしについても、国や会社から与えられるものを頼るのではなく、自分の力で立ち行かせるのが理想なのではないでしょうか。

そのためにできることのひとつが、貯蓄や投資。お金をためる、未来につながることに投資する、などの方法で財産を育てていくことです。

もうひとつが、自分の能力を生かして仕事を得ることです。「自分には特別な能力なんてない」という人も多いでしょう。でも、働くために必要なのは特殊な技能やとびぬけた才能ではありません。大切なのは、周りからの信頼です。

ローソク
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与えてきた人は、与えられる人になる

将来に不安を感じる人がいる一方で、年齢に関係なく、周りから求められて仕事を続けている人もいます。実際に私の知り合いで、70歳を過ぎてもずっと同じ会社で働き続けている人がいます。偶然会ったとき、「あれ? 定年で辞めたとおっしゃっていませんでしたっけ?」と聞いたところ、「私は辞めたかったんですけどね。社長から電話が来て、また来てくれないかと言われちゃって」。

お金をもらうために仕事をしている人は、お給料以上の働きをしません。当然、会社からの待遇も決められたルール通り。定年を迎えれば、さようならです。

でも仕事を通して心を育てている人は、周りの役に立とうとします。「私のお給料なら、ここまですれば十分」ではなく、自分に何ができるか、何をすれば一緒に働く人の助けになるかを考えることができるんです。

同じお給料を払うなら、当然「人のため」に動いてくれる人のほうがいい。こんな人を、「定年だから」という理由であっさり手放す気にはなれないでしょう。人のために何かができる人、だれかに与えてきた人は、自然に信頼されるようになります。

そして、いつか必ず、だれかから与えられる人になっていくのです。