野党は一つになって「有権者のための政党」へ
乱立している野党は、どれも解散して、一つになりなさい。
ただし、統一教会との関係が疑われた野党(たとえば、日本維新の会)は、事実関係を明らかにし、処分と謝罪をしてから、解散しなさい。
政策を近づけよう、などとしてはいけない。口もききたくないほど仲が悪くても、気にしてはいけない。まず、仕組みをつくる。有権者の意思が議会に届く、パイプを設計する。選挙区の候補の公認は、予備選で有権者に決めてもらうのがいちばんいい。党の役職は、あとでゆっくり選挙で決めればいい。とにかく一度、総選挙を戦える体制をつくろう。
有権者は、いまのままの政治でいいと思っていない。その有権者の思いをきちんと言葉にして、健全な市民・有権者の思いをストレートに政策に結びつける仕組み(選挙区ごとの組織)をつくろう。それができれば政権は取れる。いや、政権を取ることを目的にしてはいけない。正しくて有効で近代的な政治のスタイルを、創作する。それを目標にしよう。
総選挙は、三回ぐらい続けて負けることを覚悟する。有権者のためを考える。有権者に合わせてはいけない。自民党よりはるかにましな政党をつくる覚悟がなければ、政治家はやめたほうがいい。
自民党が急いでやるべき3つのこと
さて、自民党をどうすればいい。
自民党は、近代的な政党のかたちをなしていない。
それに手をつけるのが大事なのだが、これは時間がかかる。その前に急いでやることが三つある。
第一。統一教会と絶縁する。絶縁するやり方は、本書の第2部でのべた。すぐやるべきだ。
第二。日本会議と絶縁する。宗教団体に票の取りまとめを頼まない、とはっきり決める。業界団体や地元後援会とはつき合ってよいが、宗教団体とは距離を置く。これを、党の方針としてはっきりさせよう。
第三。公明党との連立を解消しよう。公明党は、宗教教団を母体とする政党で、自公連立は政教分離の原則、民主主義の原則に反するからだ。
自民党はもともと、創価学会・公明党と手を結ぶことに、反対の意見が強かった。当然だろう。自民党はその原点に、立ち戻る必要がある。
統一教会とのズブズブの関係を続けてきたことが背景になって、最大派閥の長で、元首相の安倍晋三という、自民党の大事な政治家を失った。悔やみ切れない無念な事件である。
安倍元首相がいまの自民党を見れば、何と言うだろうか。こんな結果を招いた自らの政治家としての人生をふり返って、思うところがあるだろう。そして、こう言うだろう。宗教団体との不明瞭で怪しい関係をそのままにしないで、きちんと清算しなさい。国民に胸を張れるような近代的な政党に生まれ変わりなさい。私には、そう言っている声が聞こえる。