トップセールスはどのように仕事をしているのか。1000人のトップセールスをデータ分析したプロセスコンサルタントの山田和裕さんは「真面目で自尊心が高いタイプほど、仕事を一人で抱え込んでしまう。しかし、仕事を一人で抱え込まないタイプほど、営業成績はよくなる」という――。

※本稿は、山田和裕『1000人のトップセールスをデータ分析してわかった 営業の正解』(かんき出版)の一部を再編集したものです。

机で一緒に取り組むビジネス仲間
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できる営業は上司に頼る

すべてを自分一人でやるのが「できる営業」という勘違いに気をつけなければなりません。真面目で自尊心が高いタイプほどこの罠にはまりやすくなります。

「できる営業」は、仮にすべて自分でできたとしても、上司を巻き込み助けてもらうことで、自分の実績アップにつなげます。結果的に評価も上がります。

今の課長クラスはプレイングマネージャー化しているので、部下の一人ひとりに細かく目配りするのが難しくなっています。若手を育てることもマネージャーの仕事の一つですが、現実的には人財育成に割ける時間は多くありません。

「上司をマネジメントするように」という教えもありますが、これはなかなかの上級編です。知識も経験も上回る上司をコントロールすることは簡単ではありません。

上から目線ではなく、上司をうまく立てながら活用できる現実的なテクニックがあります。上司の「俺をうまく使ってくれよ」という気持ちを活用することです。

手取り足取り教える時間がなくても、営業同行を頼まれて断る上司はほとんどいません。ポイントはそのタイミングです。

適切な上司同行のタイミングはいつだと思いますか? 普通は案件がうまくいったタイミングで「そろそろ、上司もご挨拶」、もしくは、「クロージングで危なくなった時」が頭に浮かぶのではないでしょうか。