親や先生に決めてもらったほうがうまくいく人もいる

さらに、もし責任感の強い受験生なら、「人に決めてもらう」のもいい方法です。

僕が灘と東大理IIIで見てきた限りの話にはなりますが、「人に設定された目標、ハードルを越えることに、燃える人」がある程度います。「やりたいこと」も「やりたくないこと」もない受験生は、好き嫌いの少ない真面目な受験生が多いので、「目標を親や先生が設定する」と黙々と取り組む場合も多いです。

実は、僕が東大理IIIを志望した理由も、これに近いものでした。

僕としては「東大を卒業して活躍したい」という思いがあったのですが、父親に「何をしたいのか具体的になっていないのに、なぜ金を出して東京に行かせなければいけないのか」といわれてしまいました。両親としては、地元の大阪の国立大学に行ってほしかったようです。

ただ、話し合いを進めていくうちに「もし本当に行きたいのなら、医学部なら許す」といわれました。その結果、僕は東大理IIIを志望することになりました。

「親や先生の言いなりになるのはイヤだ」という受験生もいるかもしれませんが、ならば親や先生がいうよりも一段偏差値レベルの高い学校を目指すようにけしかけましょう。

問題を解いている時間だけが勉強の時間ではない

ここまで、志望校決定の大切さと具体的な決め方を紹介しました。

ベテランち『やる気ゼロでも灘→東大理III 他力本願勉強法』(KADOKAWA)
ベテランち『やる気ゼロでも灘→東大理III 他力本願勉強法』(KADOKAWA)

受験勉強とは、とりあえずどこを受けてもある程度の点数が取れるように勉強する、というものではありません。あるいは「日本で一番偏差値が高い大学に合格するように勉強すれば、どの大学を受けても合格する」というものでもありません。

それは効率が悪いです。

さらに実際に問題を解いている時間だけが「勉強している時間」ととられがちですが、決してそうではありません。合格するには、目標を決め、アプローチを考え、逆算して戦略を練る。この段階をしっかり詰めていく方が、やみくもに勉強するより、のちのち時間あたりの効果が高くなってきます。

はじめに書きましたが、「一にも二にも勉強」ではありません。「英語の時間」「数学の時間」の前に「戦略の時間」を優先してとる必要があるのです。

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