慶應義塾大学への内部進学

慶應義塾の場合は、付属校という言い方はせず、一貫教育校と呼ぶ。中学が3校、高校が5校ある。内部進学率は95%以上と極めて高く、ほぼ全員が慶應義塾大へ進める。

進学できる学部は、高校時代の成績順などで決まる。最大規模の生徒数を誇る慶應義塾高校の場合、卒業生706人中(21年度)、進学者の多い学部の順に法224人、経済211人、理工102人、商93人、医22人、環境情報21人、文12人などとなっている。高校によって進む学部の割合は異なるが、最難関学部である医学部には各高校に定員の約3%が割り振られており、成績トップの生徒が進学する。

「慶應は東京歯科大と法人合併に向けて協議中です。実現すれば、医歯薬の医学系すべての学部がそろうことになり、大学としての存在感が高まり、付属校人気もさらに高まるでしょう」(同)

慶應の一貫教育校がほかの大学付属校と大きく異なるのは小、中、高がそれぞれ独立していることだ。

「普通部、中等部の中学生は、高校進学時にニューヨーク学院も含め塾内の高校から選んで進学できます(中等部から湘南藤沢には進学不可)。同様に小学校である幼稚舎の児童は、中学進学時に3校から選んで進学できます。湘南藤沢中等部は同高等部に進学する形です。また小学校の横浜初等部から進学できるのは湘南藤沢中等部のみです」(同)

【図表】慶応義塾大学への内部進学率
出典=『小学生知育大百科 2023完全保存版』(プレジデントムック)

※マークの見方  卒:卒業生数 内:内部進学者数 偏:偏差値(男/女) ¥:初年度納入金 倍:倍率 所:所在地 駅:最寄り駅 募:募集人数(男/女) 数値は2022年のもの。募集人数は23年度のもの。
※卒業生数、内部進学者数、他大学進学実績のデータは大学通信提供。
※学費は副教材代や制服代を含む標準コース(金額が明示されていない制服、スクールバス、給食、寮や教材の費用は含まず)。
※募集人数には推薦や帰国生を含む。
※首都圏編の中学偏差値は日能研提供。高校偏差値は進学研究会提供、協力は早稲田アカデミー。関西編の中学偏差値は日能研関西提供。高校偏差値は大阪進研提供(専願の偏差値)。コースが複数ある場合は、最も募集人数が多いコース

【慶應義塾高等学校 内部進学率99.0%】

全生徒数は約2200人のマンモス男子校

1948年に発足。戦前の大学予科学校の校舎と教育理念を受け継ぐ。2003年から運動部を中心に入試に推薦枠がある。第2外国語を学ぶのも特徴の一つ。進学先の学部は3年間の成績で決まる。医学部への進学22人(2022年)。

【慶應義塾志木高等学校 内部進学率99.2%】

埼玉県の私立校で最も難易度が高い

1948年慶應義塾高等農業学校として設立され、57年に志木高校に。農業学校の名残で文化祭は収穫祭という。校内には600種の植物と20種の野鳥がいる。系列中学からの内部進学者は少なく、学年20人程度。医学部への進学5人(2022年)。

【慶應義塾女子高等学校 内部進学率95.0%】

三田の徳川家屋敷跡にある

慶應義塾大三田キャンパスから徒歩3分の旧徳川邸跡地にある。慶應グループの中では唯一の女子校。十月祭(かんなさい)という文化祭が名物行事。医学部への進学5人(2022年)。