達磨大師が教えてくれる「安眠」のヒント
いかに寝つきのいい人も、翌日に心配なことや不安を覚えることがあると、とたんに眠れなくなるものです。そんなときはこう考えてください。「心に生じた心配や不安には実体がない」と。それを教えてくれるいいお話があります。
禅宗の始祖である達磨大師は、慧可という弟子から悩みを打ち明けられます。「私の心はいつも不安でいっぱいです。どうか取り除いてください」と。
すると達磨大師は「わかった。取り除いてあげよう」と請け負いました。が、「その前にまず、私の前にその不安とやらを出してみてくれないか」というのです。
これには慧可も困り果てました。不安を心から取り出すことはできないからです。そして慧可はハッとしました。不安には実体がない――このことに気づいたのです。
達磨大師のこの教えが示唆するように、心配や不安のほとんどは自分の心が勝手につくり出したもの。実体はありません。“妄想”なのです。そうとわかれば、「起こっていないことで悩む必要はない」と、簡単に心から閉め出せるでしょう。
それで万事解決。不眠から体調を崩すリスクをぐんと減らすことができます。
9時以降はスマホを物理的に遠ざけなさい
スマホほど、夜の静かな時間を乱すものはありません。特段使う必要もないのに、手元にあると、ついいじりたくなるのでやっかいです。
加えて寝る直前までスマホの画面を見ていると、興奮状態が続き、眠りに入りにくくなります。
ここは思い切って、「夜9時以降はスマホを断つ」などと決めましょう。それもただ決めるのではなく、ある程度の強制力を持たせることがポイントです。
たとえばスマホ自体に、「画面を見ない時間帯を設定する」「通知機能をオフにする」など、物理的な制限を加える。あるいは自分のいる場所から遠く離れたところに、充電を兼ねたスマホの“居場所”をつくる。
一階にいるなら二階の部屋とか、寝室にいるなら玄関とか、あるいは子ども部屋や親の寝室など、わざわざ取りにいくのが面倒になるところがいいでしょう。もちろん呼び出し音をオフにすることをお忘れなく。
とくに何か心身に不調があって、「スマホ時間」の長い人は、試しにまず「寝る前のスマホ」をやめましょう。睡眠も改善され、体調が格段によくなるはずです。