達磨大師が教えてくれる「安眠」のヒント

いかに寝つきのいい人も、翌日に心配なことや不安を覚えることがあると、とたんに眠れなくなるものです。そんなときはこう考えてください。「心に生じた心配や不安には実体がない」と。それを教えてくれるいいお話があります。

ベッドで眠る女性
写真=iStock.com/PonyWang
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禅宗の始祖である達磨だるま大師は、慧可えかという弟子から悩みを打ち明けられます。「私の心はいつも不安でいっぱいです。どうか取り除いてください」と。

すると達磨大師は「わかった。取り除いてあげよう」と請け負いました。が、「その前にまず、私の前にその不安とやらを出してみてくれないか」というのです。

これには慧可も困り果てました。不安を心から取り出すことはできないからです。そして慧可はハッとしました。不安には実体がない――このことに気づいたのです。

達磨大師のこの教えが示唆するように、心配や不安のほとんどは自分の心が勝手につくり出したもの。実体はありません。“妄想”なのです。そうとわかれば、「起こっていないことで悩む必要はない」と、簡単に心から閉め出せるでしょう。

それで万事解決。不眠から体調を崩すリスクをぐんと減らすことができます。

9時以降はスマホを物理的に遠ざけなさい

スマホほど、夜の静かな時間を乱すものはありません。特段使う必要もないのに、手元にあると、ついいじりたくなるのでやっかいです。

加えて寝る直前までスマホの画面を見ていると、興奮状態が続き、眠りに入りにくくなります。

ここは思い切って、「夜9時以降はスマホを断つ」などと決めましょう。それもただ決めるのではなく、ある程度の強制力を持たせることがポイントです。

たとえばスマホ自体に、「画面を見ない時間帯を設定する」「通知機能をオフにする」など、物理的な制限を加える。あるいは自分のいる場所から遠く離れたところに、充電を兼ねたスマホの“居場所”をつくる。

一階にいるなら二階の部屋とか、寝室にいるなら玄関とか、あるいは子ども部屋や親の寝室など、わざわざ取りにいくのが面倒になるところがいいでしょう。もちろん呼び出し音をオフにすることをお忘れなく。

とくに何か心身に不調があって、「スマホ時間」の長い人は、試しにまず「寝る前のスマホ」をやめましょう。睡眠も改善され、体調が格段によくなるはずです。