良質な人間とつながれば、その先に良質な人脈がある

本当に信頼できる人を5人つくれれば、それを辿れば相当に強くてかつ広い人脈ができるはずです。

例えば交通事故を起こしてしまい、誰か弁護士の知り合いを探したい。そんなときにコアな人脈の中に、誰かしらふさわしい人材が見つかるはずです。

人脈と言うと、とにかくたくさんの人と知り合う必要があると考えたら大間違いです。よく名刺交換会だのパーティーだのやたら参加して名刺を配りまくっている人がいますが、そんなところから本当の人脈なんてできません。

人脈をつくりたかったら、むやみに広げてはいけません。まず自分が本当に信頼できる人を5人つくること。そしてその関係を大事にし、強くしていくこと。

そのためには相手をよく選び、絞り込む必要があります。つまり、選択と集中です。良質な人間とつながれば、その先に良質な人脈があって、それとつながることができるのです。

仕事を通じているからこそ、互いを信頼し、リスペクトし合える

社会に出ると損得勘定を抜きにした人間関係はできないとよく言われます。どうしても利害が絡むので、学生時代の友人のような関係は難しいと。

これは、半分は本当で半分は嘘です。

仕事の関係であっても、いやむしろ仕事を通じているからこそ、互いを信頼し、リスペクトし合える深い人間関係になることがあります。そこには単なる仕事での付き合いを超えた、仲間意識のようなものが芽生えたりします。

作家という立場で編集者やライターの人たちとの付き合いが私自身ありますが、その中で信頼できる人が何人かいます。

単なる利害関係や損得勘定ではなく、いろいろなことを相談できる相手でもあり、私もその人たちのために何かできることがあればできる限りのことをします。

たしかに学生時代のようにまったく利害関係のない友情とは違います。しかし、私にとっては大切な仲間であり、ある意味、仕事を超えた関係であることも確かなのです。

逆に、社会人でありながら利害関係のまったくない友達ばかりだとしたら、むしろ問題でしょう。趣味やサークルでの仲間ということになるかもしれませんが、果たして肝心の仕事をちゃんとしている人なのかどうか? 私からしたら、むしろあまり信頼できない人物ということになります。