3の数で人脈をメンテナンスする

20代から30代であれば人脈で100人は多すぎます。まずは先ほどの重要度などを基準に30人に絞り込み、できるだけ長く、密に付き合うようにすることです。

経験則から私は3という数字が重要だと考えています。ある場所で面識を持ってこれはと目を付けた人物と一定の期間内に最低3回は会うこと。最初に会ってから1カ月以内にもう一度会う。それから3カ月以内に3回目、何かしら理由をつけて会う。

3カ月から4カ月くらいの間で3回会うことができれば、強い印象を相手に残すことができます。その後は3カ月に1回ぐらいを目途にしてあいさつをするとか、食事に行くなどして顔つなぎをします。

ちなみに、前任者から引き継がれた人脈は基本的に会社の人脈と考えましょう。それが自分の人脈になるのは、相手との相性がかなりよかった場合だけです。職種にもよりますが、引き継ぎは3割成功すればいい方でしょう。

鍋や焼き肉が特に相手との関係性を深める理由

人付き合いにおいて、会食や飲食はとても重要です。動物は仲の悪い相手とは同じ餌箱から餌を食べようとしません。人間も同じで、嫌な奴とか気が合わない人間とは食事をしたくないものです。

苦手な上司から昼食に誘われ、嫌々食事に行っても胃が痛くて味も分からない、なんてことがあるでしょう。ならばいっそコンビニでおにぎりかサンドイッチを買って一人で食べた方がいいと思ってしまう。

逆に言えば、ある人物とストレスなく飲食をする時点で、すでにかなり近しい関係にあるということ。そして飲食を共にすることで、親しい関係がより親密になるということです。

特に関係を深めるのにいいのが鍋や焼き肉です。皆で一緒につつき合いながら食べることで、より親密度が増します。もっといいのがBBQです。料理だけではなく火と煙も囲むでしょう。

炭火で焼肉
写真=iStock.com/taka4332
※写真はイメージです

原始時代とか縄文時代は、家族で火を囲み肉や魚などを焼きながらみんなで食べた。そのときの団欒の幸福感だとか家族意識のようなもののDNAが確実に私たちの中に残っていて、それが呼び覚まされるのだと思います。

煙は上に昇っていくでしょう。ユダヤ教、キリスト教、イスラム教の社会では、その煙を神様が食べるという意味があります。

家族だけでなく神様も一緒に食事をすることで、結びつきがより強固になるわけです。仏教でお香や線香をたくのも、おそらく同じ流れからきているのでしょう。