不必要な情報にアクセスすることがなくなる

「問い」の設定を簡単な事例で紹介してみよう。家を購入するときのことを考えてみよう。

家の購入前には、いきなり住宅展示場に行ったり不動産業者に飛び込んだりしても、良い決断をするための材料は得られない。

まず、現在の生活スタイルを守ることができて、職場への通勤が1時間以内の物件はあるか、といった「問いを立てる」。

次に、居住地、価格・ローン、間取り(広狭)、周辺環境、ハザードマップ、設備といった知りたいことの「枠組みを設定」する。

こうして、「集める情報を絞り」、意思決定に結びつける。

この思考法を使えば、不必要な情報にアクセスすることはなくなり、効率的な分析と意思決定ができる。

有報、IR…公開情報はインテリジェンスの生材料にすぎない

海外で活躍する諜報員は、事前に国内で赴任国のことを勉強する。そして、現地のさまざまな公開情報を集める。

また、赴任先では、地域にある程度溶け込んでから、知りたい情報を持っている人物(ターゲット)に接近する。その際、いきなりターゲットに近づいて警戒されるようなことは避け、じっくりと間合いをつめる。

情報収集では、第一に「目的を明確にする」、第二に「事前準備を行なう」、第三に「利用できる者から着手する」ことが重要であり、いきなり無理をしてはいけない。

一般ビジネスパーソンが情報を集める場合も同様だ。

ビジネスパーソンが競合他社についての情報を知ろうとするときに、いきなりエージェントと接触したり、探偵を雇って情報を入手するといった強引な方法はできないだろう。

まずは、会社のホームページであったり、有価証券報告書、IR情報を見るといった公開されている情報を見るのが基本である。

ただし、その情報はインフォメーションであって、インテリジェンスではない。つまり、情報はインテリジェンスの生材料にすぎないのであって、そのまま使用すればヤケドするということを認識してほしい。