情報過多の現代社会で、価値ある情報を選び取るにはどうすればいいか。元防衛省情報分析官の上田篤盛さんは「本当に必要なインテリジェンスを選り分けるには、CIA元副部長の『HEAD』思考法が役に立つ。まずはどんな情報を知りたいのか、問いを立てることだ」という――。

※本稿は、上田篤盛『超一流諜報員の頭の回転が速くなるダークスキル 仕事で使える5つの極秘技術』(ワニブックス)の一部を再編集したものです。

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ビジネスで使う情報は「集める目的を必ず秘密にする」

情報の取り方が“公然か非公然か”“合法か非合法か”を問わず、その情報収集の目的を秘匿するのが諜報ちょうほうだ。

だから、諜報員は目的を絶対に秘密にする。諜報員が行なう秘密工作では、派手な謀略行為も時として見られ、行動そのものが表に出ることがある。

しかし、「なぜ、それを行なったのか?」という目的は秘密にされる。だからこそ、日本軍の諜報、宣伝、謀略などは、秘密戦と呼ばれた。

諜報員は目的を秘密にして情報を取ることが基本だが、ビジネスの場合でもそれが言える。これは、社内外にかかわらずである。

営業スタッフでも、モノやサービスの開発者でも、企画を考える者でも、マーケッターでも、経営者でも、目的を周りにベラベラ話すようでは、他社の競争相手には勝てない。また、社内のライバルに、自分の目的がバレるようであれば競争には勝てない。

まず大前提として、ライバルに先んじて何事かを成し遂げたいのなら、情報を収集する前に、「情報を集める目的を必ず秘密にする」ことを肝に銘じたほうがよい。