「とてもよく働き、元気だ」と評判
レタス農家の朝は早い。例年、収穫のピークを迎える6~9月は、早ければ未明から照明をつけ、収穫作業が始まるという。
国勢調査(2015年)によれば、外国籍の人口割合が市町村別で全国1位の川上村だが、外国人労働者の受け入れは2003年にさかのぼる。
技能実習制度は1993年に創設されたが、当時はまだ「技能実習生」という在留資格はなく、「研修生」としての受け入れだった。
由井はこう振り返る。
「2003年当時は、日本人アルバイトで収穫期の人手不足を補っていましたが、技能実習制度を活用し、中国からの研修生を村として4人受け入れました。農業での受け入れは、川上村が日本で最も早かったと思います。
日本人に比べ、中国人研修生は農家から『とてもよく働き、元気だ』と評判がよく、我も我もと、受け入れ開始から5年目には559人まで増えました」
機械化が難しい葉物野菜の収穫は重労働で、日本人アルバイトの定着率が悪い。
地元農家は重労働を惜しまない外国人の採用に切り替え、2019年には川上村で農業に従事する外国人が1000人を超えた。
中国の経済発展などの影響で、外国人の主体が中国からベトナムなどの国に変わる変化はあったが、村にとって外国人は欠かせない存在になった。