「会社の飲み会は2回に1回は断る」会社員Aさんのやらないこと

私のクライアントの社員Aさんは、2021年の年始に、「会社の飲み会は2回に1回は行かない(2回に1回は断る)」と決めました。

そこに至った理由は、コロナ禍の在宅勤務で通勤時間がなくなると毎日90分ほどの時間ができ、その時間を勉強や趣味の時間に充てることができ、心の圧迫感がとれたことを実感したからです。「時間」というものがいかに貴重かを実感したAさんは、出社勤務が始まると通勤時間のため失われた「時間」の捻出を真剣に考えるようになり、出した結論が、「会社の飲み会は行かない」でした。しかし、会社の人間関係が嫌いなわけではないので全く行かなくなることも寂しくもあり、2回に1回は行くと決めたそうです。

Aさんは昨年1年間この習慣を実践した結果を12月の面談で教えてくれました。まず、自分で決めたことなので、迷いなく飲み会を断ることができるようになり心身的負担がかなり減ったようです。特に悪い影響は何もなく、通勤がある時も趣味の時間が全くないわけではないこと、飲み会に参加しなくても何もネガティブなことはないと知ることで心が少し軽くなったとおっしゃっていました。しかし、それ以上に大切な学びがAさんにはありました。それは、自分の時間や心の状態は、自分で望む方に変えることができるということが腑に落ちて理解できたとのことです。

今年のやらないことは何にするのか、面談に来られたら聞いてみるのが楽しみです。

生ビールで乾杯するグループ
写真=iStock.com/taka4332
※写真はイメージです

メンタル休職者に勧めたい「趣味づくり」

3つめにお勧めしたいのが、新しい趣味や好きなことを何か1つ試してみることです。

私が産業医面談でメンタル休職者に趣味について尋ねると、一番多い答えは「趣味はありません(即答)」です。また、忙しくてタフな職場でメンタルヘルス不調にならずに長年働き続けることができている人たちに共通していることは、どんなに忙しくても定期的に趣味・好きなことをする時間を持っているということです。趣味や好きなことをするということはとても大切なのです。ですので、私はメンタル休職者には必ず趣味や気分転換をしっかり作ってから復職することが、再休職にならないためのポイントであることを伝え、趣味作りを休職中に推奨しています。