日中から“いいこと”に向けてアンテナを立てているか

個人的な見解ですが、これは結局、自分の心を何に向けるかという心のあり方なのです。3つのいいことを書くために、日中から“いいこと”に向けてアンテナを立てている人は、通勤電車がすいていてうれしかった、久しぶりに出社したら懐かしい顔ぶれと話せて楽しかった、今日は家族全員で食事が取れてよかったなど、日常のちょっとしたことをポジティブなこととして認識できるのです。

もしポジティブに思えることがないときは、ぜひ感謝の気持ちを書いてみることをお勧めしています。朝ごはん毎日作ってくれてありがとう、電車が今日も遅延なく動いていることにありがとう、何もなく今日も眠れることをありがとう等々。

反対に毎日、不安、不平、不満に意識を向けていたら、どのような顔つき、どのような気持ちになると思いますか? どちらの気持ちに意識を向けるか、選ぶのは己自身なのです。

寝る前に意識をポジティブな方に向けておくことで、寝ている間の潜在意識もその方向に考えやすくなり、きっとポジティブな翌日につながると思います。ぜひやってみてください。

腕でバツ印をつくり、ジェスチャーで拒否を示す女性
写真=iStock.com/Farknot_Architect
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やるべきことでなく、「やらないこと」を決める

2つめにお勧めしたいのが、年間を通じて「やらないことを決める」ことです。

私たちの多くは、仕事でもプライベートでも、たくさんのやるべきことを持って社会的生活を営んでいます。しかし、やらねばならないことに縛られることは生活を忙しなくし、われわれから時間ばかりか心の余裕も奪ってしまっています。

有給休暇で他人が働いている時に休むより、年末年始のお休みの方が多少期間が短くても気持ちがのんびりとできることを多くの人は実感していると思います。これは、自分の休みと同時に世の中もお休みのため、やらねばならないことが減ったことが多少ならずとも影響しています。大切なことは、時間と心の余裕を常に自分に与えることです。

やらねばならないことを減らし、自分に時間と心の余裕を取り戻すことができるのは、自分自身です。そのために一番効果的なのは、引き算的思考です。やるべきことをリスト化したり厳選したり、さらなる効率化を目指すのではなく、やらないでいいことを決めるのです。具体的な方法としては、毎日の自分の行動に「何のために、これをしているのか?」と自問してみてください。その答え(目的)が明確でないものは、きっとやらなくていいものです。答えが出たら次は、「その目的って本当に必要?」と自問してみてください。そして最後に、やらないことによる不安とリスクを受け入れてください。きっとその不安は的中しませんが。