「否定しない」が心理的安全性を生む

→「ポジティブ思考」「褒める」よりも効果的な方法

否定をやめるメリットでとくに大きいのは、個人間における「心理的安全性」が確保されることです。

心理的安全性は、もともとビジネスシーンでも注目されている考え方。ハーバード大学で組織行動学を研究するエイミー・エドモンドソンが提唱した心理学用語「Psychological Safety(サイコロジカル・セーフティ)」の和訳です。

グーグルが2015年に「生産性の高いチームや組織には心理的安全性がある」という主旨の研究結果を発表したことで有名になりました。

心理的安全性をかみ砕いて説明すると、「チームにおいて、誰が何を言っても、どのような発言や指摘をしても、否定や拒絶をされたりする心配がない状態」です。

会議で話している人々
写真=iStock.com/John Wildgoose
※写真はイメージです

逆に、人は否定される(ときに拒絶される)と、急に不安になったり、パフォーマンスが低下したりします。

そのため、どんなコミュニケーションを取っても相手が「否定しない」ことがわかっていれば、人は萎縮することなく思ったことを言い合えるようになるのです。

心理的安全性は、ビジネス的な文脈で語られるので、チームや組織においての話だと思われがちですが、個人間の一般的なコミュニケーションの場合でも、当然生まれます。

あなたが「否定しない」コミュニケーションの習慣を身につけることで、相手との関係性の中に心理的安全性をつくることができるようになります。

これができるとどんな変化が起きるでしょうか。相手側の目線で紹介してみましょう。

●何を言っても話をまずは聞いてくれる
●率直に自分の思ったことを言える
●安心して相談や会話、議論ができる
●失敗や小さなミスをしても責められることがない
●できないことをバカにされない
●いつもありのままの自分でいられる
●一緒にいて居心地がいいと感じる
●仕事が楽しくなり、やる気が出る

いかがでしょうか。