NHK大河ドラマは毎回、舞台となる都市が街おこしに躍起になる。ジャーナリストで僧侶の鵜飼秀徳さんは「今年の『どうする家康』は家康ゆかりの愛知県、静岡県が盛り上がりそうですが、その他にも恩恵を得る都市があります。そこでは“三英傑”と呼ばれる家康、信長、秀吉の墓所を巡ることができます」という――。
NHK大河ドラマ「どうする家康」公式サイト
NHK大河ドラマ「どうする家康」公式サイトより

「どうする家康」で儲かる自治体はどこか?

2023年のNHK大河ドラマ「どうする家康」が、今月8日から始まった。主役、徳川家康を演じるのは松本潤。大河で家康が主人公を飾るのは40年ぶり3回目となるが、今回の脚本はなかなかユニークだ。戦国時代における群雄割拠の中で「どうする?」と逡巡する、“やや頼りない”家康の立ち居振る舞いが見どころのようだ。

大河ドラマの主な舞台は家康ゆかりの愛知県や静岡県で、街おこしの起爆剤になることが期待されるが、京都も恩恵を受けそうだ。というのも、家康をはじめ信長や秀吉(三英傑)といった登場人物の墓所があるからだ(ちなみにドラマ内では信長役は岡田准一、秀吉役はムロツヨシが演じる)。私は過去に「三英傑」の墓所を巡ったことがあるが、その規模感で勝るのは意外な武将であった。

信長、秀吉、家康の三英傑は喩え歌「鳴かぬなら 殺してしまえ(信長)・鳴かせてみせよう(秀吉)・鳴くまで待とう(家康)ホトトギス」や、落首「織田がつき 羽柴がこねし 天下餅 座りしままに 食うは徳川」に詠まれているように、わが国を代表する武将たちだ。なかでも家康は江戸幕府を開き、その後260年あまりにわたって15人の将軍が君臨する超長期安定政権を樹立させた。日本史のなかでも特に傑出したリーダーであった。