2)9330万円
男子高校生が夜間、イヤホンで音楽を聴きながら無灯火で自転車を運転中に、パトカーの追跡を受けて逃走し、職務質問中の警察官(25歳)と衝突。警察官は、頭蓋骨骨折等で約2カ月後に死亡した。(高松高等裁判所、令和2(2020)年7月22日判決)

3)9266万円
男子高校生が昼間、自転車横断帯のかなり手前の歩道から車道を斜めに横断し、対向車線を自転車で直進してきた男性会社員(24歳)と衝突。男性会社員に重大な障害(言語機能の喪失等)が残った。(東京地方裁判所、平成20(2008)年6月5日判決)

自転車には自動車のように「自動車損害賠償責任保険(自賠責保険)」の制度がないので、万一に備え、被害者に十分な賠償をおこなえるよう、必ず「個人賠償責任保険」に加入しておく必要があるでしょう。

「正直者が馬鹿を見るような世の中は絶対におかしい」

自転車は子どもから大人まで、免許なしで気軽に乗ることのできる便利な乗り物です。その一方、「道路交通法」においては「軽車両」と位置づけられている、れっきとした車両です。法律に違反をして交通事故を起こし、人を死傷させると「重過失致死傷罪」に問われ、相手を死傷させた場合は民事上の損害賠償責任も発生します。

もちろん、忘れてはならないのが「道義的な責任」です。万一事故が起こった場合は、必ず被害者を救護し、警察に届け出てください。事故を起こしたにもかかわらず現場から逃げるという行為は、「助かる命をも助けずに見捨てる」という極めて悪質な行為です。

Aさんは語ります。

「ひき逃げ被害に遭ってから3カ月、もう見つからないのではとあきらめかけていますが、正直者が馬鹿を見るような世の中は絶対におかしいと思います。犯人には一日も早く出頭してもらいたいと思います」

以下、本件ひき逃げの詳細と所轄署の連絡先などを記していますので、お心当たりのある方はぜひ情報をお寄せください。

防犯カメラに映る事故現場周辺の様子
筆者提供
防犯カメラに映る事故現場周辺の様子

<池袋/ひき逃げ事件詳細と犯人の特徴>

●発生日時/2022年10月18日午後3時27分頃
●事故現場/東京・南池袋3丁目の横断歩道
●犯人のルート/池袋駅方面から目白方面へ走行中に事故。「ごめんなさい」と言い残し、そのまま目白方向へ。その後、路地に入って逃走
●犯人の特徴/20歳くらいの男性
●自転車/赤色のスポーツタイプの自転車
●着衣/黒い上着
●連絡先/目白警察署 交通捜査係 03-3987-0110 (内線4252)

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