長年の“なんとなく浪費”のツケが老後に回る

かくして、月計14万8000円の大削減が実現。家計改善後にプラスになった約15万円と、もともとの黒字1万円程度は、そのまま貯金とつみたてNISAにスライドさせました。

せめて生活費の一年分、つまり金子さん一家の場合500万円はたまってから投資をしたいところですが、すでに60歳前後の夫婦にとって、老後まで時間がありません。年齢的に、投資も貯金も最後のチャンス。そこで、夫婦で合計月6万6000円をつみたてNISAに。残り7万円を貯金する、という配分にしました。

この世帯はまだまだ削る余地はありますが、ここまでコストを下げて貯金ができるようになったのは大きな進歩です。危険度も、95から50レベルに下がりました。

あとは、生活を圧縮しつつ、夫婦ともにローン完済の72歳まで何とか働き続けることが生命線になります。そして72歳以降は年金を繰り下げ受給して生活する。あと10年――。夫婦ともに体調を崩さず、がんばってほしいものです。

(構成=桜田容子)
【関連記事】
「コツコツ貯めたから大丈夫」ではない…1000万円のへそくりを貯めた妻が崩れ落ちた"税金の落とし穴"
忘れたころに税務署職員がやってきた…副業で成功、独立した男性が「年末の駆け込み経費消化」で見た地獄
「駅前持ち家物件の売却益1800万円で積極投資」そんな年収1000万円世帯が"転落必至"と断言できる理由
食費、交際費…費目で管理する人はお金が貯まらない「1億円貯まる人がチェックするたった1つの数値」
75歳まで我慢すれば84%増になるが…お金のプロがあえて「66歳から年金受給」をオススメする理由