世界シェア2%だからできた

そもそも小沢は2013年、今のスカイアクティブ戦略が始まった頃、当時の肝っ玉トップ、山内孝社長兼CEOを直撃しました。マツダはなぜこれほど思い切った戦略が採れたのかと。

そしたら当時の社長は言いました。

「グローバル2%だからこそ思い切ったことができるし、2%だからこそ他社と同じことはできないという面もあるんです」と。

2013年上海ショーの会場で遭遇した、マツダの山内孝(右、代表取締役会長 社長兼CEO=当時)と、「アテンザ」の開発などを担当した商品本部の梶山浩(左、主査=当時)
写真=筆者提供
2013年上海ショーの会場で遭遇した、マツダの山内孝(右、代表取締役会長 社長兼CEO=当時)と、「アテンザ」の開発などを担当した商品本部の梶山浩(左、主査=当時)

具体的には世界で160万~200万台しか狙わない。いたずらに数を追わずに質を追う、かつてない“マツダ流世界2%戦略”です。

80~90年代、マツダは漠然とトヨタになろうとしていたフシがあります。しかし今やその拡大路線は完全に消え、個性の戦略を愚直に進めてきています。今回のラージ商品群は単純にその結果であり、集大成なのです。

もちろん電動化は予想以上のペースで進んでおり、いろいろ心配は付きまとうと思います。しかしマツダの個性化&先鋭化もまた避けて通れない道であり、万が一、2040年以降もエンジン+α車マーケットが10〜20%ぐらい残っていたら、めっけもんじゃないですか?

そんな気もする今日この頃なのです。

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