保護者が子どもを守るために
保育園やこども園の多くは、子どもの人格を尊重する保育を行ってくれているはずです。保育園・こども園に不信感をもち、保護者が細かいことを気にしすぎるのもあまりお勧めできません。保育現場に「圧」をかけることは、保育者の余裕を奪い、保育の質に悪影響を与える場合もあるからです。
「不適切保育」から子どもを守るために保護者にできることとしては、次のようなことが考えられます。
① 園選びを子ども中心の目線で行う
園見学などで、保育者が子どもに接する様子、園長が保育について語る内容から、子どもを尊重する意識があるかどうかを感じ取ってください。保育施設の中の人たちの信頼性を、親の利便性や習い事などよりも重視して選ぶことが大切です。
② 入園後、子どもの様子に注意を払い、保育者とコミュニケーションを深める
送迎時の子どもの様子に注意します。子どもが保育士におびえる様子があった場合は注意が必要です。言葉が話せる子どもとは、日々の会話を大切にし、子どもの言うことに耳を傾けましょう。ただし、保護者から保育者をネガティブに見る発言を繰り返すと、子どもも影響を受けてしまいます。また、子どもはまだ事実を正確に伝えられない場合があるので、気になることがあったら担任に相談するなど、まずは信頼関係を基本にしたアプローチをしたほうがよいでしょう。
連絡ノートや送迎時の会話などで保育者とコミュニケーションをとり、保育参加や保護者懇談会などの行事にもできるだけ参加して関係を深めることは、「不適切保育」の防止につながります。
③ 「不適切保育」を見聞きしてしまったら
疑いをもったという程度であれば、保育者に「こうするのはなぜなんですか?」と保育の意図を確認したほうがよいと思います。その答えがおかしい場合や、明らかな行為を見聞きしてしまった場合は、園長や主任に相談したほうがよいでしょう。怒りをぶつけるのではなく、見聞きした問題行為や問題と思う理由を具体的に説明する、子どもが苦痛を感じている事実を伝えるなど、冷静に交渉することが重要です。
それでも「しつけです」と言われるなど不誠実な対応しかない場合は、市区町村の担当課などに通報します。市区町村が頼りにならない場合は、都道府県の指導監査部門に連絡をします。