「謙遜」のレベルを超えた自己肯定感の低さ
「私は、自分自身に満足をしている」という質問に対して「そう思う」と回答した割合は、ほかの国の若者が86.9%〜73.5%におさまっているのに対して、なんと日本の若者は45.1%しかいなかった。
「長所があるか」「自分の考えをはっきり相手に伝えることができる」という質問も軒並み同じ傾向で、日本だけが顕著に低い。こうなってくると、もはや「謙遜」とか「奥ゆかしい」というレベルではない。
「こんな調査はインチキだ」という人もいるだろうが、同様の結果は山ほどある。例えば、2018年に独立行政法人・国立青少年教育振興機構の「高校生の心と体の健康に関する意識調査報告書(概要)――日本・米国・中国・韓国の比較――」も衝撃的な結果だ。
4カ国の高校生に「私は価値のある人間だと思うか」という質問をしたところ、「そうだ」「まあそうだ」と答えた割合はアメリカは83.8%、中国は80.2%、韓国は83.7%であるのに対して、日本は44.9%となった。
高校生の子を持つ親ならば胸が張り裂けそうな話だが、日本の高校生の過半数は「自分は価値のない人間だ」と思いながら青春を送っているのだ。
6割の人が「日本人であることに誇り」
なぜ日本人だけはこんなにも自己肯定感が低いのか。幼い頃から学校や家庭で「自分勝手な行動でみんなで迷惑をかけるな」と叩き込む日本式教育のせいか、それとも「和をもって尊しとなす」という日本社会の同調圧力がそういう人間を育むのかは定かではないが、ひとつだけはっきり言えることがある。子どもや若者がこんなに自信なく生きているのに、中年以降になって急に自信満々になるということなどありえない。
つまり、日本人は諸外国の人々と比べて、「自分に自信がない人が多い」という特徴があるということなのだ。
しかし、そんな弱気な日本人が、まるで二重人格のように自信満々になる瞬間がある。もう予想できるだろう、そう、「自分は誇り高い日本人の一員だ」と自覚をした時だ。
先ほどの内閣府の調査の中に、「自国人であることに誇りを持っている」という質問がある。この結果を見ると、「はい」と答えた割合はアメリカ(80.4%)が最も高い。次いで、スウェーデン(77.7%)、イギリス(75.6%)、フランス(73.8%)、ドイツ(66.5%)、そして日本(61.2%)となっていて、日本は韓国(53.1%)よりも高い。