ついカーっとなってしまう時に効く孫子の教え
主は怒りを以て師を興すべからず、
将は慍みを以て戦いを致すべからず。
(火攻篇)
物事を始める時には、
心を落ち着けて。
怒りや悲しみなどの
一時の感情で
決めちゃだめだよ。
時間は巻き戻せない
怒ると、頭にカーっと血が上って、つい人に当たったり、物に当たったりしちゃう、っていう人はいないかな。あとから「あんなこと、言うつもりじゃなかったのに」「あんなこと、するつもりじゃなかったのに」なんてくやんでも、時間を巻きもどすことはできないね。
怒るべき時に怒るのは、決して悪いことではないよ。でも、高ぶった感情のまま行動を起こすと、問題をひどくしてしまうよね。ほかにも「悲しい」「くやしい」などの気持ちでいっぱいな時には、人は、まちがった行動をしてしまいがちだよ。
そんな時は、感情のまま行動をするのをやめ、いったん頭を冷やそう。あとから「あー、どうしよう」って、思うことが減るはずだよ。
いつもの方法でうまくいかなくなったら…
正を以て合し、
奇を以て勝つ。
(勢篇)
いつものやり方で、
どうしても
うまくいかないなら、
ふだんとちがう方向から
見て考えてみよう。
行き詰まった時ほど落ち着いて
孫子先生のこの言葉は、頭をやわらかくして、物事をいろいろな方向から考えることの大切さを教えてくれるよ。
たとえば問題にぶつかった時、なんとかしようとがんばるものの、それがうまくいかないと、たちまち不安になって、うろたえてしまうことってないかな。そのうち、気持ちによゆうがなくなって、「ああ、どうしよう、もうだめだ」としか、考えられなくなってしまう。
つらいと目の前しか見えなくなりがちだ。でも、問題の解決の方法は一つだけではないよ。ある方法がうまくいかないなら、気持ちを切りかえて、ほかの方法を探そう。行きづまった時ほど、落ち着いて物事を考え、多くの解決方法を見つけられるようになりたいね。