いきなり犬の体をなでてはいけない

初めて出会う人に対しても、犬は匂いを嗅いで確認します。

初対面でいきなり「かわいいねー」と犬の体をなでようとする人がいますが、これは禁物です。まず犬と対面したら姿勢を低くして、手の甲を下方に軽く差し出して、犬が匂いをチェックできるようにしてあげましょう。

飼い犬でも、すべての犬が人懐こいわけではないし、知らない人に体をさわられることに恐怖を覚える犬もいます。急に顔の前に手を突き出してしまうと、反射的にガブリとやられてしまうこともあるので注意が必要です。

散歩中などの初めての出会いという前提で、「愛犬と他の犬との挨拶」「愛犬と初対面の人との挨拶」「初対面の犬とあなたの挨拶」に分けて、対面時の一般的な注意点をあげておきます。

愛犬が他の犬と挨拶するとき
・必ず飼い主さんに挨拶の許可をとる
・リードから手を離さず、ゆっくり相手の犬に接近させる
・挨拶する間、犬の反応から目を離さない。威嚇や攻撃の気配・恐れやストレス反応が見えたらすぐリードを引いて相手から離し、落ち着かせる
・相手の犬が苦手そうな反応をしたり、相性の悪さが見てとれるときは、すぐ挨拶をやめて離れる

愛犬が初対面の人と挨拶するとき
・愛犬が人好きな場合、飛びつかせないようリードをしっかり持つ
・愛犬が人見知りしたり他人が苦手な場合、無理に挨拶はさせない。ごほうびのおやつをあげてもらうなどして、愛犬をまず安心させて様子を見る

あなたが初対面の犬に挨拶するとき
・必ず飼い主さんに挨拶の許可をとる
・犬の正面から急に近づかない
・犬の目を覗き込まない・目をじっと見ない
・低い姿勢でまず手の甲の匂いを嗅がせる
・急にさわらない・無理にさわらない

動物というのは凝視されるのが苦手で、じっと見つめ返してくるのは「敵対」と受け取ります。初めて犬と会うときは、目を凝視せず、目線はそらして接近するのが基本。あなたに安心感を持つようになれば、犬のほうからあなたの目を見てくるようになります。

挨拶前の「ひと言確認」が大事

愛犬には、犬に対しても人に対してもすぐ無防備に近づくのではなく、飼い主の指示で挨拶できるように練習させましょう。

人好きな犬の場合は、いちいち挨拶をしないで、そのまますれ違うこともできるように練習しましょう。いずれも、実地に何度か対面・挨拶の場を経験させながら、練習を重ねていくことが必要です。

「うちの犬は誰とでもフレンドリーなので、好きにさせている」という飼い主さんもいますが、相手がいることなので、あなたの愛犬がどのような受け止め方をされるかわかりません。挨拶前の「ひと言確認」は忘れないようにしてください。