都会の飼い主たちはまだ管理が足りない

街中での犬の散歩の様子を見ていて、よく感じるのは、飼い主さんにはしつけ以前の「管理」の意識をもっと高めてほしいということです。

たとえば、リードの持ち方。他にも歩行者がいるような公共の場所では、散歩中はリードを短く持つのが基本です。最近は伸縮式(フレキシブル)リードを利用する人が増えていますが、街中でもこれを長く伸ばして平気で犬を歩かせている人がいます。街路樹にマーキングしたり、植え込みに入って行ったりしてもそのままにさせています。

犬にとっては好きなように歩けるので気分がいいでしょう。でもこれでは、「飼い主の管理意識が低すぎる」と僕は思うのです。伸縮式のリードは、公共の場所では短くロックしておき、広くて誰もいない場所に来たらリードを伸ばしてあげる。それが正しい使い方です。

飼い主と散歩する犬
写真=iStock.com/stevecoleimages
※写真はイメージです
鹿野正顕『犬にウケる飼い方』(ワニブックスPLUS新書)
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街中では、急に前方から大きな犬が道を曲がってやって来たり、愛犬がお年寄りに近づいていき、驚いたお年寄りが転んでケガをしてしまう可能性だってあります。公共の場では、人は犬をきちんと管理する責任があり、これはしつけ以前の問題なのです。

自分が見てきた限りでは、都会の飼い主さんたちはまだまだその意識が低く、愛犬の勝手なふるまいを容認しすぎる傾向があると感じます。

「いや、自分はなるべく犬にのびのび散歩させたいので、リードは短くしたくない」という方は、都会での飼育はやめて、広々とした郊外の、誰も住んでいないような土地で犬を飼うべきなのです。またこういう方に限って、散歩中の愛犬のおしっこやうんちの始末もおろそかだったりするのです。

「犬がやることだから大目に見てよ」は許されない

犬は行動のよしあしを自分では判断できませんから、求められるのは「人間のモラル」なのです。

何か他人に迷惑がかかるような問題が起きたとき、飼い主が「犬がやることだから大目に見てやってよ」などと言うのは、非常にずるい言い訳だし、社会で犬を飼うことの認識が甘すぎると思います。

犬好きの飼い主さん同士でも、何かあったときは「犬が悪いのではなく、飼い主のあなたの責任ですよ」とはっきり伝えることが大事です。

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