「特殊知識」「説明責任」「レバレッジ」を武器にせよ

(運に頼らずに)リッチになる方法

カネではなく、地位でもなく、富を求めよ。富とは、寝ている間も稼いでくれる資産だ。カネとは、時間と富を人に与えるための手段だ。地位とは、社会階層内での君の立ち位置だ。

倫理的な富の創造は可能だと理解せよ。富を密かに蔑む人から富は逃げていく。

「地位のゲーム」をする人は無視せよ。彼らは「富の創造ゲーム」をする人を攻撃して地位を得ている。

時間を切り売りしていてはリッチになれない。経済的自由を得るには、エクイティ――事業の一部――を所有することが欠かせない。

リッチになるには、「社会が求めているが、手に入れる方法がまだ知られていないもの」を提供せよ。それも大規模に。

長期的な人と長期的なゲームができる業界を選べ。

インターネットはキャリアの可能性をとてつもなく広げた。ほとんどの人はまだそのことに気づいていない。

「同じゲーム」を何度もくり返せ。富であれ人間関係であれ知識であれ、人生の見返りはすべて複利で殖える。

知性、エネルギー、そして何より倫理観にあふれる仕事仲間を選べ。

皮肉屋や厭世えんせい家とは組むな。彼らの思いは現実になる。

売る方法を学べ。つくる方法を学べ。両方できれば無敵だ。

「特殊知識」「説明責任」「レバレッジ」を武器にせよ。

特殊知識とは、訓練では身につけられない知識のことだ。もしも君が訓練できる知識しか持っていなければ、訓練された別の人に取って代わられる。

特殊知識を見つけるには、何であれ今の流行を追いかけるより、君の純粋な好奇心と情熱を追い求めよ。

特殊知識を身につけるプロセスは、君には遊び感覚でできるが、傍目はためには仕事をしているように見える。

特殊知識を教えることができるとすれば、それは学校ではなく、徒弟制や見習いを通じて教えられる。

特殊知識は専門性や創造性が非常に高い場合が多い。ゆえに外注や自動化ができない。

説明責任を引き受け、自分の名のもとに事業リスクを取れ。社会はその見返りとして、君に責任、エクイティ、レバレッジを与えてくれる。

「われに十分長いテコと足場を与えよ、されば地球を動かしてみせよう」――アルキメデス

レバレッジなくして富はない。事業のレバレッジを生み出すのは、資本、人、そして限界費用ゼロで複製できるプロダクト(コードとメディア)だ。

資本とは、カネだ。カネを集めるには、説明責任をもって特殊知識を活用し、優れた判断を示せ。

労働力とは、君のために働くヒトだ。労働力は最古にして最も激しく争奪されてきたレバレッジだ。ヒトをたくさん従えれば親は喜ぶが、それを追い求めて人生を無駄にするな。

資本と労働力は、許可型のレバレッジだ。誰もが資本を求めるが、誰かに与えてもらう必要がある。誰もが労働力を求めるが、誰かに従ってもらう必要がある。

コードとメディアは、非許可型(パーミッションレス)のレバレッジだ。これが、新興の富裕層を支えているレバレッジだ。ソフトウェアやメディアをつくって、寝ている間も働かせよ。

君が自由に利用できるロボット団がある――熱効率と空間効率のためにデータセンターに詰め込まれている。コードを書いてこれを使え。

コードが書けないなら、本やブログを執筆し、ビデオやポッドキャストを収録せよ。

レバレッジは、君の下す判断の効果を何倍にも増幅させる。

判断は経験を積むことで得られるが、基礎的スキルを習得すればもっと早く身につけられる。

「ビジネス」という名のスキルは存在しない。ビジネス誌やビジネス講座は避けよ。

ミクロ経済学、ゲーム理論、心理学、説得術、倫理学、数学、コンピュータを学べ。

聴くより読んだほうが速い。見るよりやったほうが速い。

予定表がからでも「お茶」などしている暇はない。

自分に強気な時給を設定し、それを押し通せ。自力で解決しても時給以下の金額しか節約できないような問題は、放っておけ。時給以下でできる仕事は、外注せよ。

死ぬほど働け。ただし、どれだけ努力するかより、誰と働くか、何をするかのほうが重要だ。

君のやっていることで世界一になれ。そうなるまで、君のやっていることを微調整しつづけよ。

うまい儲け話などない。君をカモにしようとしているだけだ。

特殊知識にレバレッジを効かせよ。そうすればいずれ君にふさわしい結果が得られる。

とうとう富を手に入れたとき、君の求めていたものが富でなかったことに気づくだろう。だがそれについてはまたの機会に[※3]

要約:自分をプロダクト化せよ。