大学受験対策講座の配信からスタート

スタディサプリ(スタサプ)は、リクルートが手がけるオンライン教育事業である。PC、スマホ、タブレットなどから、インターネット経由で動画授業を受講できる。2012年に大学受験対策講座の配信からスタートし、その後は小中学生にも対象を広げ、大きく成長した。現在ではベネッセホールディングスの進研ゼミなどと肩を並べる規模の有料会員を擁する(リクルートホールディングス2021年3月期有価証券報告書によれば、2021年3月時点のサービス有料会員は157万人)。

「スタディサプリ」のオンライン講義画面
写真提供=PR TIMES/リクルートマーケティングパートナーズ
スタディサプリのオンライン講義画面より

スタサプの事業の柱は3つある。第1の柱は、個人を対象とした教育事業である。スタサプは、大学進学を目指す高校生などを対象に、質の高い受験対策の動画授業をオンラインで提供してきた。

従来の通学型の予備校などとは異なり、オンライン教育では教室などを用意する費用が低減される。さらに、配信する授業は受講履歴のデータなどに基づき、人工知能(AI)なども活用して年々改善される。

そのため、スタサプは、有名講師による質の高い授業を効率的に、全国に広く配信できる。現在では、中学生、小学生などを対象とした個人の自宅学習用の授業も数多く提供している。

学校の補助教材としても利用が広がる

スタサプの第2の柱は、学校向けの教育事業である。スタサプは現在、高校などをはじめとする学校の補助教材などとしても広く採用されている。スタサプを導入した学校では、生徒たちは個別の理解度や進学目標などに応じて、さまざまな動画授業を選択し、受講する。

導入した学校では、先生たちは生徒の日々のスタサプ受講履歴や、単元ごとのテストの結果などを管理画面上でタイムリーに確認。個々の学習の成果やつまずきの状況を踏まえてクラス単位/生徒単位での声かけや指導を行っている。これまでの一斉授業では難しかった、生徒一人ひとりの学習習熟度に応じた指導や補習に、スタサプが活用されている。