結婚のおかげで生まれた「進化論」
頭を抱えて悩むダーウィンの姿を想像すると苦笑せざるを得ないが、結論が出たら行動は早い。ダーウィンはエマにプロポーズし、成功している。
結婚により自由を奪われる心配をしたダーウィンだったが、エマとの間には10人も子どもをもうけた。
なかでもダーウィンは長男の成長を熱心に記録している。
ダーウィンが秘密裏に進めていた研究が密接に関係していたからだ。
その研究こそがダーウィンの「進化論」である。
ヒトと動物の連続性を解いたこの論文は、激しい反発を呼ぶことになるが、のちに生物学の礎となった。
わが子の成長データはその後、発達心理学における論考にも生かされている。
あれだけ悩んだ結婚だったが、時間が奪われるはずの子育ては、かえってダーウィンの研究活動を推進させたといえるだろう。
家臣たちに実は気を遣っていた武田信玄に、ハード―ワークに悩むゲーテ、そして、結婚をするべきかどうか葛藤するダーウィン……と3人の逸話を紹介した。それぞれの人生に、それぞれの苦悩がある。 ただ、どれだけ高い「人生の壁」を目の前にしても、人生を投げなかったからこそ「偉人」として名を残すことになった。
とはいえ、毎日をただ生きることすらも、簡単ではない時代だ。偉人の人生を追体験し、壁を乗り越える方法を一つでも多く知っておくことをおススメしたい。
偉人の人生訓は、あなたが苦境に陥ったときに、立ち直るきっかけをきっと与えてくれることだろう。