×「この金額で精一杯です」
○「駆け引きなしの正直な金額です」
「この金額で精一杯」とよく聞くが、この表現は「利益確保のためにはこの金額までしか下げられない」、裏を返せば「まだ利益がある」という状態を暗に示唆する。そもそもヒアリングや競合比較を十分に行い、コスト以外の価値を訴求できていれば、無茶な値引き要求は減らせるはず。価格交渉が難航した場合は、もう一度ヒアリングに戻って、提案の見直しを図るのも解決策の一つだろう。
×「いつごろ決まりそうですか?」
○「進捗はいかがですか?」
成熟市場は商品切り替えの緊急性が低く、「検討しておく」と言ったまま顧客から音沙汰がなくなるケースが珍しくない。商談を前に進めるためには再アプローチが必要だが、「いつごろ決まりそうですか?」という表現は顧客には、「早く決めろ」という意味にしか受け取れない。
顧客の意思決定を促したければ、「進捗はいかがでしょうか」「何かトラブルが起きてお困りではありませんか」というように、現状確認の形で問いかけるべき。
(構成=村上 敬 撮影=鷹尾 茂)