成熟市場では、競合と比較して優位性を認められても、即成約というわけにはいかない。競合の商品・サービスを利用してすでに基本的なニーズが満たされている以上、直ちに商品を切り替える必要性が薄いからだ。

横田雅俊カーナープロダクト代表取締役。外資系ISO審査機関にて営業職を経験。「最年少」「最短」「最高」記録を更新し、世界2300人のトップセールスに。営業に特化したコンサルティングファーム、カーナープロダクト設立。著書に『営業は感情移入』。

残念ながら商品を切り替える場合には、顧客側に時間という概念はない。営業担当者が顧客に時間軸を意図的に植え付けることで、はじめて「先延ばししてもいい案件」が「いま進めるべき案件」へと変わるのだ。

顧客にゴールの時間を意識させることを、「時限トーク」という。もっともわかりやすいのはキャンペーンだろう。たとえば「来月末まで料金1割引きのキャンペーンを実施しております」と商談の初期段階で示せば、顧客の頭の中に「ゴールは来月中」という時限装置がセットされる。